180秒露光の大敵「スターノイズ」
さて、長時間露光となるとデジタルカメラで心配なのはスターノイズ。センサーが長時間通電することで熱を持ち、その熱によって素子が受光したと誤認して感光してしまった結果、ところどころに被写体とは関係のない点のノイズが現れるというもの。ただし最近ではこのスターノイズを取り除く画像処理機能が存在し、メーカーによっては「長時間露光ノイズリダクション」などとも呼ばれている。
この機能が働くことで、たとえば露光3分の場合、“撮影3分+処理3分=6分”が一枚あたりの撮影にかかる。1時間あたり最速でも10枚撮影するのがやっとという計算だ。あまりお勧めできる撮影方法とはいえないものの、日常とは違った面白い雰囲気の写真が撮れるので、興味を持った方はどうぞ。
「GXR」の場合、長時間露光ができる撮影モードは「マニュアル露光モード」のみ。その他のシャッタースピード優先や絞り優先のモードでは、1秒以上の遅いシャッタースピードには設定できない。なお、レンズユニット「S10」では、1秒以上の遅いシャッタースピードだと自動的に手ブレ補正機能がOFFになる。
「Mモードワンプッシュ動作」でマニュアル露光もラクラク
長時間露光ではあまり恩恵は受けられないが、マニュアル露光モードの際に意外と便利なのが「Mモードワンプッシュ動作」設定。
この機能はマニュアル露光モード時、方向キーの「+/-」を押すことで露出を適正付近に近づけてくれる。ペンタックスのグリーンボタンのようなもの、と言えばわかるだろうか。「GXR」の場合、この「Mモードワンプッシュ動作」に対して絞り優先/シャッター優先/プログラムと、動作の仕方を指定できる。
たとえば絞り優先にしていた場合は、「+/-」ボタンを押したときに設定された絞り値に対して適正露出を得られるシャッタースピードに変更されるわけだ。シャッター優先の場合は同様に絞りが変更され、プログラムの場合は、そのときどきで両方が変更されるという具合に動作する。
180秒露光の威力はいかに!?
このようにデジタル一眼レフに近いマニュアル撮影の機能は、ほかのコンパクトデジタルカメラにはない「GXR」の特徴といえるだろう。
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