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バンドとニコ動、2つの顔を持つ「裏表ラバーズ」作者の素性

2010年02月13日 12時00分更新

文● ノトフ

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「どうやったらあんな風に」ヒットの前には悶々とした時期も

―― ヒット曲「裏表ラバーズ」でこだわったところは?

現実 人が歌えないようにするってところですかね。さすがにこれは歌えないだろうと思って。でも投稿した次の日には「歌ってみた」がアップされてて、負けました。



▲翌日にアップされた、akiさんの「歌ってみた」動画。こちらも話題を呼び「霊長類なめんな」などのタグで絶賛された

―― 早口の調声は難しいですか。

現実 いえ、そんなに。調声には僕は労力を使ってないんですよね。声はほとんどベタ打ちで。声質をDAWでいじって、ちょっと無機質で機械的で、異質な感じを作ってます。

―― 人間味をとことんなくしている感じですよね。

現実 そうですね。せっかく初音ミクというものを使って発表してるんだから、普段は出来ないことをやりたいです。

―― 初音ミクのキャラとしての側面は、どう思いますか。

現実 キャラがあることで音楽的なところ以外からも聞いてくれる人がいるので、それはとても面白いですね。うん。キャラ性はとても面白いです。

―― でも、wowakaさんの曲には、初音ミクのキャラ性を意識した曲はないですよね。

現実 それはそういう曲を作れないからです(笑)。

―― 動画にも初音ミクのイラストを使わないですよね。使った方が再生は伸びると思うんですけど。

現実 最初に投稿するとき、動画を見てもらう意識はしましたけど、やっぱり曲がメインなので曲と合わない動画はダメだと思ったんです。それと個性を出したいなっていうのがあって。その2つからどうすればいいのかなって考えて今の形になりました。

 結果的にはそれが1つのこだわりになっちゃってますけど、その形式自体にこだわっている意識は全然なくて。曲に合った動画があって、かっこいいものになれば大歓迎です。今後はそういうところも色々やっていきたいですね。

キャラクターから興味を持って入ってくる人がいるのも「面白い」と話す

―― 再生数が伸びない時期もあったわけですよね。どう思ってました?

現実 どうしても伸びてる曲に目が行くじゃないですか。どうやったら、あんな風になれるんだっていうのはずっと思ってました。悔しかったですし。

―― ヒットの前後で気持ちは変わりました?

現実 ヒットの前は悔しくて悶々としながら作ってました。でも、いざヒットした曲にしても、作っているときに受けるだろうとも思ってなくて。

―― 狙ってはない?

現実 狙う狙わないを曲で意識したことはないですね。伸びないのは悔しいけど、作り続けていれば誰かが見てくれるだろうと思ってました。まだ初心者だから色々甘いんだろうなっていうのもあって、勉強して聴くにたえる物をつくってやろうと思って、やってました。

―― 最初の曲は「歌モノ」って感じでしたけど、そこから今ではすごく変化されてますよね。それには工夫が?

現実 そうですね。いっぱいDTMに触れてくると、どういう感じの音楽が自分の音楽性に対してガッチリはまって、なおかつ格好良くなじむというか、段々ちょっとずつ分かってきて、自然に今の方向に向かっていきました。

 最初は本当に手探りでしたけど、最近は、僕がやるならこんな感じでこんな曲が一番格好良くできるだろう、って感じで曲を作ってます。自分でも格好いいと思った曲しか発表してないし。

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