パナソニック「D-dock」やパイオニア「PDX-Z10」など
据え置き型オーディオプレーヤーは今後の進化に期待
デジタルオーディオプレーヤーの普及により、音楽を保存するためのストレージはCDやMDといった旧来のメディアから、ここ数年でフラッシュメモリーやHDDに急速にシフトした。オーディオ機器側でも、たとえばミニコンポにおいてSDメモリーカードスロットを搭載したり、パソコンと接続するためのUSBインターフェイス、あるいはiPod内の音楽を再生するためのDock端子を装備した製品が登場するなど、徐々にこうした状況に対応しつつある。
たとえば本連載で紹介したパナソニックのiPodを内蔵可能なミニコンポ「D-dock」(実売価格4万円前後、関連記事3)や、(今後レポートしたい)ヤマハの「MCR-140」(同4万円前後)など、iPodへの対応は確実に進んでいる。ただ、一方で不満を感じるのが、ネットワークへの対応。さらに言えば、DLNAで配信された音楽を再生できる製品がほとんど出てきていないこと。
デジタルオーディオプレーヤーは確かに多くの音楽を蓄積することが可能だが、わざわざそれをプレーヤーにセットするのは面倒だ。パソコン上にすべての音楽が蓄積されているのであれば、ネットワーク経由でそれを再生する方が理にかなっている。
実はハイエンドのAVアンプの領域においては、徐々にDLNA対応がひろまりつつある。ただ、おいそれと手を出せる金額ではない。オーディオマニアだけでなく、一般の人でもパソコン内に蓄積された音楽を好きな部屋で少しでも高音質で聴けるソリューションは待ち望まれているのではないだろうか。
そういった意味で期待したいのが、第10回で紹介したパイオニアの「PDX-Z10」(関連記事4)のような方向性である。CDプレーヤー(SACD対応)と2chアンプをパッケージングしたCDレシーバーと言われる製品。2chアンプを搭載する、いわゆるピュアオーディオ系の製品に属するが、iPodからのデジタル入力に対応していることに加え、DLNA経由での音楽ファイルの再生、そしてインターネットラジオの受信にも対応している。
ただPDX-Z10の実売価格は現状でも10万円超といったところで(コモノではなかった……)、スピーカーまで必要なことを考えると、パソコン用スピーカーなどからのステップアップとして考えると高価に感じてしまうのも事実。2010年はこの隙間を埋めてくれる製品の登場を期待したいところである。
HDMI CECのおかげで意識せずに使えているAVアンプ
ヤマハ「AX-465」
自腹で購入した製品についても振り返ってみよう。金額的に大きかったのは、東芝の32V型ワイド液晶を搭載する「REGZA H8000」(関連記事5)である。この製品を選んだ理由は明確で、安価(10万円ちょっと)でありながら録画機能を備えていること、USBインターフェイスがあり、外付けHDDにも記録できることがポイントになった。
約半年程度すでに利用しているが、大きな不満はないというのが正直な感想であり、購入価格を考えても満足感は高い。後継機である「H9000」に搭載された超解像技術「レゾリューションプラス2」や、内蔵HDDが300GBから500GBの増量されたのは若干うらやましいものの、しばらく使い続けることになりそうだ。
テレビ周りでは、ヤマハのAVアンプ「AX-465」(関連記事6)を3万円台で購入した。「ドルビーTrue HD」や「DTS-HD Master Audio」といったHD時代の音声フォーマットをサポートしていることに加え、4つのHDMI入力ポートも備えている。ただ諸般(予算)の事情から、相変わらずフロント2chでの運用を続けているのは寂しい限りである。早いところ3.1chくらいにはしたいのだが……。
ちなみに実際に使っていて感じたのは、HDMIリンク(HDMI CEC)による連携のメリット。REGZA側でつねにAVアンプに音声を出力する設定にしていれば、テレビの電源を入れれば自動的にAVアンプが立ち上がり、アンプに接続したスピーカーからテレビの音声が出力される。AVアンプの電源を投入し、さらにAVアンプ側の入力端子を入れ替えるといった操作をしなくていい。このため、今ではAVアンプを操作することはほとんどない。これも購入してよかったと思える機器の1つだ。
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