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物欲AVコモノ道 第26回

ソニー「x-アプリ」はiTunesキラーになるか?

2009年10月12日 12時00分更新

文● 川添貴生/インサイトイメージ

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紆余曲折があった「SonicStage」

 カセット、そしてMDの時代に携帯型オーディオプレーヤーの主役であり続けた「ウォークマン」だが、HDDやメモリーが主流となってからは、「iPod」の後塵を拝し続けることになってしまった。その理由はいくつも考えられるが、その1つとして音楽ファイルの転送ソフトとして製品に添付されていた「SonicStage」の熟成が進まなかったことが挙げられる。

 SonicStageはCDからの取り込みや音楽配信サービスである「Mora」からの楽曲の購入、楽曲の管理、そして外部機器であるウォークマンへの転送といった機能を持つジュークボックスソフトだ。iPodにおける「iTunes」に相当するものであり、楽曲を転送するために頻繁に利用することを考えると、携帯型オーディオプレーヤーの使い勝手を大きく左右するものだと言える。

 それだけ重要なものであるにも関わらず、ソニーは転送ソフトについてたびたび方針を転換し、ユーザーを混乱させることになる。それを象徴するのが、2005年11月に発売されたウォークマン「NW-A3000」などに転送ソフトとして提供されていた「Connect Player」だ。

「NW-A3000」

「NW-A3000」

 NW-A3000など当時のAシリーズは、ユーザーの好みを学習し、それをベースにソフトウェアによって自動で選曲を行なうというユニークな機能を持つ。それを実現するソフトウェアとして開発されたのがConnect Playerで、従来のSonicStageとは別ラインのソフトウェアとしてNW-A3000などに添付された。

 しかし、あまりにもConnect Playerのレスポンスが悪く、なかなか起動しない、転送が終わらないなど、評判は決してよいものではなかった。結局、ソニーはConnect PlayerをSonicStageに吸収し、「SonicStage CP」としてリリースすることになる。ジュークボックスソフトにおけるこうした混乱が、ウォークマンのイメージを損ねたとしても不思議ではない。

 そんな過去を持つSonicStageに代わり、10月8日に新たなジュークボックスソフトとしてリリースされたのが「x-アプリ」(ダウンロードページ)である。

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