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2009冬 プリンター「買い替え」のツボ 第3回

最新プリンター 魅惑のハイエンド3機種、三つ巴の戦い!

2009年11月21日 19時00分更新

文● 池田圭一

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日本HP 「HP Photosmart Premium C309G」

外観:両面印刷とネットワーク機能を拡充

 「HP Photosmart」という同じシリーズ名を持ちながら、安価なPhotosmart Plus B209aと、今回紹介するPhotosmart Premium C309Gでは、設計コンセプトからして異なっているようだ。見た目からくる印象は似ているものの、機能面ではまったく違う。それは追々説明するとして、まずは外観をチェックしよう。

収納時の外観、トレイ上部のカバーから紙受けを引き出して利用する

天板部分がフラットになって、操作パネルが大型化した。背面に両面印刷ユニットが飛び出ている

 光沢のある黒色、曲面を多用した外観で、スキャナー部分のカバーに模様を入れるなど、無骨さを出さないようデザイン面での配慮がうかがえる。

 給排紙トレイが本体から飛び出している構造は、安価なB209Aと同等だが、本体後部に両面自動印刷用の紙送り機構が付いたため、設置時の占有面積では奥行きが7cm近く増加。一方で本体部分はスリムになって、高さも若干低くなった。サイズは幅452×奥行き473×高さ199mm、重量は増加が300gに抑えられて約7.5kgだ。

HP Photosmart Premium C309G

カバー天板には、設置環境を意識してか、やわらかいデザイン装飾が施された

HP Photosmart Premium C309G

両面印刷用の紙送りユニット。紙詰まり時のメンテナンスに備えて容易に取り外せる

 操作パネル部分も、タッチスクリーン機能付きの液晶表示部が2.4インチから3.45インチとなり、タッチセンサー部分も大きくなった。本体左端にあったパネルも中央の給排紙トレイの上に移動し、操作性を高めている。液晶表示部分が大きくなったことで、メニュー表示も見やすくなり、タッチ時の誤操作も起こりにくいだろう。

液晶画面が2.4インチ→3.45インチと大きくなって、操作性はかなり改善されている

 ミドルレンジ機のB209Aは無線LANのみだったが、C309Gでは有線LANの接続も可能となっている。例えば、スキャナードライバーをインストールしていないパソコンからでも、ウェブブラウザー経由でアクセスして、スキャンすることが可能だ。

HP Photosmart Premium C309G

ワイヤレス設定ウィザード機能を使い、本体のみでの無線LAN接続設定が可能だ

HP Photosmart Premium C309G

ウェブブラウザー経由で本体にアクセス、用紙やインクの利用履歴なども参照できる

ウェブブラウザー経由でC309Gにアクセスすると、スキャナードライバーがない状態でもイメージの読み取りが行なえる。ネットブックなどで使いたい機能だ

初出時、ウェブブラウザーを使った操作についてC309Gのみと記載しておりましたが、ミドルレンジ機のB209Aでも利用可能です。訂正してお詫び申し上げます(2009年12月1日)

 ほかにも、無線LANアクセスでIEEE802.11n接続をサポートしたこと、Bluetooth 2.1機能を搭載して、携帯電話などからの直接印刷も可能になったことなど、HPが言うところの「Photosmart」という概念を体現する製品となっている。実際、A4用紙のプリントを試したときには、自動両面印刷の使いやすさが大きく印象に残った。

HP Photosmart Premium C309G

紙送り機構の関係上、A4普通紙に限定されるが、自動で両面印刷が行なえるのが便利だ


印刷・スキャン:ミドルレンジより写真印刷の品質が向上

 さて、安価なB209Aと機能面で比較すると、C309Gの優位性が際立ってくる。まず、印刷解像度だが縦横ともに精細さが2倍になった(横方向4800dpi→9600dpi、縦方向1200dpi→2400dpi)。これにより、解像度だけを見れば今回比較したキヤノンのMP990と同スペックとなったわけだ。

 同時に印刷速度も向上している。インク数は、CMYの基本3色+顔料の黒に、染料の黒が加わった5色となった。写真印刷出力を見比べると、その威力は明確だ。染料黒インクの追加で、より自然な階調表現が実現できている。スキャナー部分の読み取り解像度も大幅に改善され、主走査・副走査ともに4800dpiとなった。

HP Photosmart Premium C309G

カメラマークのある染料タイプの黒インク(左端)が追加されて、写真印刷の品質が向上した

 これだけの機能向上を見せながら、直販サイトにおけるB209Aとの価格差は6000円足らず。本来、日本HPがプッシュするインクジェットプリンター複合機はC309Gであり、安価なB209aは機能を削れるだけ削った低コスト版に過ぎなかったわけだ。C309Gは、キヤノンのMP660やエプソンのEP-802Aといったミドルレンジ機と比べても、約1万円も安い。

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