日本HP 「HP Photosmart Premium C309G」
外観:両面印刷とネットワーク機能を拡充
「HP Photosmart」という同じシリーズ名を持ちながら、安価なPhotosmart Plus B209aと、今回紹介するPhotosmart Premium C309Gでは、設計コンセプトからして異なっているようだ。見た目からくる印象は似ているものの、機能面ではまったく違う。それは追々説明するとして、まずは外観をチェックしよう。
光沢のある黒色、曲面を多用した外観で、スキャナー部分のカバーに模様を入れるなど、無骨さを出さないようデザイン面での配慮がうかがえる。
給排紙トレイが本体から飛び出している構造は、安価なB209Aと同等だが、本体後部に両面自動印刷用の紙送り機構が付いたため、設置時の占有面積では奥行きが7cm近く増加。一方で本体部分はスリムになって、高さも若干低くなった。サイズは幅452×奥行き473×高さ199mm、重量は増加が300gに抑えられて約7.5kgだ。
操作パネル部分も、タッチスクリーン機能付きの液晶表示部が2.4インチから3.45インチとなり、タッチセンサー部分も大きくなった。本体左端にあったパネルも中央の給排紙トレイの上に移動し、操作性を高めている。液晶表示部分が大きくなったことで、メニュー表示も見やすくなり、タッチ時の誤操作も起こりにくいだろう。
ミドルレンジ機のB209Aは無線LANのみだったが、C309Gでは有線LANの接続も可能となっている。例えば、スキャナードライバーをインストールしていないパソコンからでも、ウェブブラウザー経由でアクセスして、スキャンすることが可能だ。
初出時、ウェブブラウザーを使った操作についてC309Gのみと記載しておりましたが、ミドルレンジ機のB209Aでも利用可能です。訂正してお詫び申し上げます(2009年12月1日)
ほかにも、無線LANアクセスでIEEE802.11n接続をサポートしたこと、Bluetooth 2.1機能を搭載して、携帯電話などからの直接印刷も可能になったことなど、HPが言うところの「Photosmart」という概念を体現する製品となっている。実際、A4用紙のプリントを試したときには、自動両面印刷の使いやすさが大きく印象に残った。
印刷・スキャン:ミドルレンジより写真印刷の品質が向上
さて、安価なB209Aと機能面で比較すると、C309Gの優位性が際立ってくる。まず、印刷解像度だが縦横ともに精細さが2倍になった(横方向4800dpi→9600dpi、縦方向1200dpi→2400dpi)。これにより、解像度だけを見れば今回比較したキヤノンのMP990と同スペックとなったわけだ。
同時に印刷速度も向上している。インク数は、CMYの基本3色+顔料の黒に、染料の黒が加わった5色となった。写真印刷出力を見比べると、その威力は明確だ。染料黒インクの追加で、より自然な階調表現が実現できている。スキャナー部分の読み取り解像度も大幅に改善され、主走査・副走査ともに4800dpiとなった。
これだけの機能向上を見せながら、直販サイトにおけるB209Aとの価格差は6000円足らず。本来、日本HPがプッシュするインクジェットプリンター複合機はC309Gであり、安価なB209aは機能を削れるだけ削った低コスト版に過ぎなかったわけだ。C309Gは、キヤノンのMP660やエプソンのEP-802Aといったミドルレンジ機と比べても、約1万円も安い。
この連載の記事
-
第5回
PC
目詰まり防止や廃棄方法がわかる!! プリンターまめ知識・8選 -
第4回
PC
複合機だから楽! 「写真+手書き」の年賀状作り -
第2回
PC
最新プリンター 売れ筋のミドルレンジ3機種でガチンコ勝負! -
第1回
PC
浦島太郎でも大丈夫! プリンター最新トレンドまとめ -
PC
2009冬 プリンター「買い替え」のツボ - この連載の一覧へ