人気者になりたいなんて思ったことないですよ
―― 人気者になりたいとは思ってましたか。
デP 思わないですね。人気者になるやつは他にいて、隅っこの方にちょこっとだけ名前があるくらいの立ち位置でいたかったです。なので、今の「デPマンセー!」みたいな立ち位置は好ましくないですね。だって気持ち悪いじゃないですか。あんな下ネタソングを、大勢の人が格好いいっていうんですよ。
―― ランキングとかも気にしませんか。
デP 載ってたら、おー載ってるなとは思いますけど。「やった1位だぜ!」とかいうのはないですね。ただ「デPと同じランキングに入れられて悔しくないのかお前らは!」とは思います(笑)。
―― ニコニコ動画に投稿する人の大半が素人じゃないですか。その中で、プロのクリエイターとして負けたくないなという気持ちはありますか?
デP そうですね、麻雀と「ぷよぷよ」では負けたくないですね。あ、あとボウリングで(他のボカロPに)負けたことがあって、それが悔しいです。
―― ……はあ。
デP あ、いや、曲って誰かと競う前提でやっているものじゃないですから。自分が楽しいのが一番ですよ。
―― 自分の曲を「歌ってみた」「演奏してみた」動画にはかならずコメントをされてますよね。
デP あれは趣味というか、礼儀ですね。「お前、一回くらいしか聞いてないだろう」とか「ラジカセで録音したの?」みたいな動画もあったりするんですけど、ちゃんと練習してやってくれている人を見ると、やっぱり嬉しいなと思いますね。なので礼儀としてありがとうみたいな、コメントを残してます。
―― ありがとうどころのコメントじゃないですけど。
デP 聞いている間に、つい(笑)。
―― デPの曲は全て静止画で発表されてますが、他のミク曲のようにPVを最初から付けるとかはしないんですか?
デP 伸びている初音ミクの曲を聞いて、「これって曲じゃなくてPVで伸びてるだろ」って思うことがあって、それって違うよなって思う部分があるんです。そうじゃなくて、もっとメロディーの力だったり、歌詞の力をちゃんとみんなにも見てほしいなと思って、動画は付けてません。
―― ミクフェスのステージではなぜ裸で踊ったんですか。
デP 初めにバンドで出たいと言ったんですけど、ダメって言われて。じゃあDJやるからミク用意してくれって言ったら、それもダメ。「じゃあ脱ぐよ!」って。
―― いや、「じゃあ脱ぐよ!」って言われても。
デP だって、ミクを出せないっていうんだから、俺しかないだろうって。いや、本当はかっこよくバンドでやりたかったんですよ。
―― 「脱ぐよ」って言ったらオーケーが出たんですか?
デP 主催者の方には「水着でパフォーマンス」と伝えていました。まあ二度と呼ばれないと思いますけど(笑)。ただ、ああ見えて結構綿密な計画がありまして、あれはあれで大変でしたね。準備期間にスタジオ2、3回入りましたからね。練習の動画も撮られたりとかして。誰にも見せられませんけど。