音楽・写真・動画を外出先から自由に鑑賞
今回は実行速度7MbpsのADSLに接続したサーバー側パソコンと、実行速度2.7Mbpsのイー・モバイル回線で接続したノートパソコンで、リモートメディアストリーミングを設定してみた。2台目の設定が終わった途端に、「その他のライブラリ」にお互いのパソコンが表示され、ライブラリが見えるようになった。「音楽」「ビデオ」「画像」「録画一覧」のすべてが表示される。
音楽を選択して再生すると、数秒待たされた後に再生が始まる。普通に再生している限りは音質は遜色なく、遅延もない。楽曲内での早送りや早戻しでもほとんどタイムラグは感じられない。ただし、楽曲単位のスキップ操作などは少し待たされることがあった。アルバムを変える場合は最初と同様、数秒待たされる。
画像を表示するとサムネイルが作成されるのだが、処理は遅い。クライアント側のパソコンで作成しているようで、一度作成してしまえば次から瞬時に表示されるようになる。ダブルクリックするとスライドショーが始まる。1枚だけ再生するなら、右クリックメニューから「再生」をクリック。画面を切り替えたくないなら、一時停止を押せばいい。
ビデオは通信速度に合わせて、サーバー側のWMP12で再エンコードされてから配信される。今回のテストでは、ほかのプログラムで通信していなければビットレート380kbpsで、帯域が狭いと133kbpsのストリーミングとなった。動画を選んで再生を始めると、最初にある程度バッファリングのために待たされ、その後は普通に鑑賞できる。早送り・巻き戻しともに数秒待たされるので、あまり快適とは言えない。とはいえ、動画配信サイト程度の画質はあるので、内容は伝わる。ネットで手に入れた動画を、外出先で見せるなどの用途には十分だろう。
購入したDRM付き楽曲の再生も可能
リモートメディアストリーミングでは、著作権保護がかけられたコンテンツもストリーミング可能だ。再生時にブラウザーが開き、ライセンスをダウンロードしてから再生する。ただし、著作権保護技術のDTCP-IPには対応しないので、地上デジタル放送の録画番組はストリーミングできない。将来、対応ソフトが発売されれば、この機能を使って配信できるようになるかもしれない。
ストリーミング再生を許可するコンテンツを選択することもできる。「ストリーム」メニューから「その他のストリーミングオプション」→「このパソコンとリモート接続のメディアプログラム...」を開き、再生を許可するコンテンツの評価(星の数)を指定できる。「未評価のファイルを含める」のチェックを外しておけば、星を付けていないファイルは共有されない。
環境によってはどうしても接続できないことも
今回、複数のパソコンで検証を行なったが、ある1台がどうしてもつながらなかった。診断ツールで検証したところ、このパソコンではリモートメディアストリーミングで、外部ポートは44450と443、内部ポートは10245を利用していることがわかった。しかし、ポートフォワーディングの設定をしてもうまくいかなかった。今はリモートメディアストリーミングの情報がほとんど公開されていないので、原因の特定ができない。将来、マイクロソフトから詳しい情報が出てきたら、改めてチャレンジしたい。現時点では、「環境によってはつながらないこともある」と報告しておく。
筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートパソコンは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。
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