新型AFで蝶の撮影も楽々――パナソニック「LUMIX DMC-FZ38」
LUMIXの高倍率18倍ズーム機であるFZシリーズの最新機種「LUMIX DMC-FZ38」(以下FZ38)は、新・手ブレ補正機能「POWER O.I.S」を搭載。夜景などを手持ちで撮影する際に起こる“ゆっくりとした手ブレ”にも対応できるようになり、さらに被写体の動きを認識して、動きが速い/遅いを見分けてISO感度とシャッタースピードをコントロールする「インテリジェントISO感度モード」機能も搭載する。カメラ任せで手ブレと被写体ブレを防ぎながら高感度時のノイズもできる限り発生させないようになっている。
さらにFZ38は、AFスピードや起動時間の高速化にも力を入れており、AFスピードに関して言えば従来機「FZ28」の約2倍程度のスピードアップを果たしている。また、パナソニックのカテゴライズでは、同機は「ハイビジョンムービーデジカメ」と位置付けられており、動画機能にも力が注がれている。AVCHD Lite動画が撮影可能になり、それにあわせてボディ上部にステレオマイクも装備された。
撮像素子は1/2.33型CCDで有効画素数1210万画素と、従来機から順当に高解像度化されている。しかし、そろそろこのあたりで必要以上の画素数アップはやめても良いような気がするのは筆者だけだろうか。ともかく、最近のデジタルカメラの動画機能は飛躍的に向上しているように見える。一台で静止画/動画の両方をまかなおうとすれば、ユーザーは自然とFZ38のような機種にたどり着くのではないかと思う。
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手持ちの夜景撮影に強い――ソニー「Cyber-shot DSC-WX1」
ソニーの最新撮像素子は裏面照射型CMOSセンサーだ。「Exmor R」と名づけられたこの1/2.4型・有効1020万画素CMOSセンサーは、入射光を配線のある表面ではなく、より受光面に近い裏側から光を効率よく受光しようというコロンブスの卵的発想から生まれた撮像素子である。最初は同社のムービーカメラに搭載されたが、とうとうコンパクトデジタルカメラに搭載されて出てきたのが、この「Cyber-shot DSC-WX1」(以下WX1)だ。受光感度が約2倍にアップしたことで、ノイズの発生も約1/2に抑えることに成功したと謳っている。
WX1の注目点は「手持ち夜景撮影モード」だろう。一回のシャッターで6枚を高速連写して重ね合わせ、画像エンジン「BIONZ」のノイズ低減処理とのあわせ技で従来の高感度撮影時よりもなめらかな画質で夜景が撮影できるというものだ。たしかに、手持ちでの夜景撮影時、カメラの中から囁くような音で複数回のシャッター音が聞こえ、背面液晶画面に画像を処理しているメッセージが流れた後、重ね撮りしたとは思えない画像が写し出され、ソニーの画像処理技術の高さを見せ付けられる思いがした。腕の良し悪しに関わらず、どんなシーンでも失敗のない写真が撮れてしまいそうな気にさせてくれるカメラだ。
手持ち夜景撮影モードの画像サンプル
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