livetune
4番目は、ハウス、テクノポップの名作を生み出してきたlivetune(関連記事)。舞台はDJセットに変わって、ステージ中央の一段高い場所でlivetuneのkzが「Packaged」や「Last Night, Good Night」などの曲をプレーした。
ステージのスクリーンにはモーショングラフィックスが中心に映し出されるようになり、前のロックコンサートから一転して、ダンスフロアに早変わりしていた。初音ミクも曲によってはスクリーンに現れていたが、ステージの主役というよりは、ダンサーという印象だ。お客もリズムに合わせて体や手を左右に振り、音楽に身を委ねていた。
supercell
フェスのトリは、初音ミクのオリジナル曲を提供するアーティストの中で特に高い人気を誇るクリエーター集団・supercellが務めた(関連記事)。バンドに加えて、4人のストリングス付きという大所帯で舞台に上がる。
1曲目の「恋は戦争」が始まると、いきなり会場がヒートアップして、緑や白に加えて、オレンジのケミカルライトがあちこちで点灯された。中央のスクリーンでボーカルの初音ミクが歌い出すと、そこに向かって会場全体が手を振って一体となる。
先日、アニメ化が発表された「ブラック★ロックシューター」も演奏された(関連記事)。冒頭でsupercellのコンポーザー・ryoが「知っている人がいたら歌って下さい」と呼びかけたこともあり、「ブラックロックシューター 何処へ行ったの……」と大合唱が巻き起こる。最後の「メルト」まで、ケミカルライトとネギ型の風船が乱舞して、興奮に包まれたステージだった。
すべての演奏が終わったあとには、初音ミクの「2歳」を祝うために、supercellの演奏に合わせて「ハッピーバースデートゥーユー」を会場全体で歌った。
初音ミクムーブメント、とどまるところを知らず!?
今回のライブは、初音ミクの舞台装置とアーティストの演奏、そしてお客のノリが合わさって、最初から最後まで会場の熱気が収まらなかった。曲のテイストや演出もアーティストによって微妙に異なっていて、バラエティー感を感じさせる。「フェス」の呼び名に間違いはない、初音ミクファンにとって大満足のイベントとなったのではないだろうか。
ボーカロイドという分野の確立や、才能あふれるアーティストの掘り起こしなど、初音ミクはこの2年間で、数えきれないほどの「奇跡」を起こしてきた。一過性のブームで終わらず、曲の作り手や聴き手を集めてきた結果、今回の「ステージ光臨」にまで至ったわけだ。
折しも31日には、クリプトン・フューチャー・メディアのブログにて、次世代初音ミクとでも言うべき「CV01 Hatsune Miku Append」の開発が発表された(関連リンク)。初音ミクの音声ライブラリに追加することで、滑舌よく歌わせたり、小声でささやかせたりといった表現が可能になる。
彼女はこの次、われわれにどんな可能性を見せてくれるのだろうか? まだまだ初音ミクムーブメントから目が離せない。