55nm版のG200b登場
ただし消費電力は微減
G200bを最初に採用した製品は、やはり「GeForce GTX 260 SP216」であった。55nmプロセス版は65nm版とまったく同じスペックであり、唯一異なるのが消費電力であったが、そろそろ“微細化で省電力化”というのも難しい状況になってきており、消費電力は170W程度とわずかな削減に留まっている。こうした事もあってか、特にGreen Editionの様な名称も付けずに、これまたひっそりと市場投入された(関連記事)。
これに続き、GeForce GTX 280の後継としてG200bコアを搭載した「GeForce GTX 285」と、1枚のカードにG200bを2つ搭載した「GeForce GTX 295」が2009年1月にリリースされる。GeForce GTX 285はシングルGPUのビデオカードとしては最高の性能と価格を誇る製品であるが、これをSLIによるデュアル構成としたGeForce GTX 295は、いろいろな意味で化け物であった。
さすがにGTX 285とまったく同じ動作周波数では、消費電力がPCI Expressで許される300Wの上限を超えてしまう。そこで動作周波数をやや低めに落としたり、メモリーバス幅を減らすといった工夫で何とか300Wに抑えた。そのため、SLIが効果的でないアプリケーションの場合は、後に登場する「GeForce GTX 275」とさして変わらない性能になってしまった。だが、以前の「GeForce 9800 GX2」の時と異なり、NVIDIAの汎用GPU技術「CUDA」に対応したアプリケーションが随分と登場しているので、こうしたアプリケーション向けのアクセラレーターカードと考えれば、GeForce GTX 295の構成が有用なのは間違いないだろう。
話を戻すと2009年4月には、ほとんどGeForce GTX 285と同じ(コアの動作周波数が若干低下)ながら、メモリーバスを448bitに減らした「GeForce GTX 275」がリリースされた(関連記事)。この製品の最大のポイントは低価格化で、メモリーバス幅が512bit(32bit×16)から448bit(32bit×14)に減ったことで、メモリーチップの個数を削減できる。また、速度も若干低めに抑えることでメモリーチップの価格もやや低めになった。これもあって、GeForce GTX 285と比較して実売価格で1万円ほどの低価格化を実現している。
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