米NVIDIAは18日(現地時間)、GeForce GTX 200シリーズを1枚のカード上に2基搭載するウルトラハイエンドクラスGPU「GeForce GTX 295」を発表した。
GeForce GTX 295では、55nmプロセスで製造されるGeForce GTX 280相当のGPUを2基、1枚のカード上に搭載する。現在販売されているGeForce GTX 280は、いずれも65nmプロセスで製造されているが、それより微細なプロセスを採用することで、高クロック動作への余裕と低消費電力化を可能としている。
製造プロセスは変更されているが、アーキテクチャー自体は既存のGeForce GTX 200シリーズと変更はない。内蔵するシェーダープロセッサー数は、GeForce GTX 280のちょうど倍の480基。しかしコアクロックは576MHzでシェーダークロックは1242MHz、メモリーバンド幅はGPUごとに448bit幅、メモリークロックも999MHzなど、動作クロックやメモリーバンド幅はGeForce GTX 260相当となっている。これは製造コストや消費電力の暴騰を避けたためと思われる。そのおかげか消費電力(TDP)は289Wと、GeForce GTX 260(182W)の2倍よりも少なくなっている。
訂正:掲載当初、メモリークロックを1000MHzと記載していましたが、同社から訂正があり正しくは999MHzでした。(2008年12月19日)
搭載メモリーはGDDR3で、メモリー搭載量は1792MB。特徴的なのはディスプレー出力で、デュアルリンクDVI出力×2とHDMI×1の3つを備えている。もちろんゲームでの3画面の同時出力も可能だ。
カードは2スロット仕様で、パソコンとのインターフェースはPCI Express 2.0 x16。電源コネクターとして、6ピンと8ピンのPCI Express電源コネクターを備える。SLIにも対応しており、2枚のGeForce GTX 295によるQuad SLI構成も可能だ。
2基のGPUを1カードに搭載したGPUとしては、AMDの「Radeon HD 4870 X2」がある。NVIDIAではGeForce GTX 295の性能は、Radeon HD 4870 X2の1.2~1.5倍に達するとしている。また、GPUで物理演算処理を行なう「NVIDIA PhysX」に対応するゲームを実行した場合は、Radeon HD 4870 X2の5倍もの性能を発揮するという。
搭載製品の出荷開始は、2009年1月8日の予定。価格は499ドル(約4万4000円)。ハイエンドGPUを求めるユーザーには楽しみな製品となりそうだ。