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週刊 PC&周辺機器レビュー 第13回

LED+フルHDでも驚きの低価格液晶「W2486L-PF」

2009年07月03日 17時00分更新

文● 池田圭一

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F-Engineが実現する2000000:1
驚異の高コントラスト

 採用する液晶パネルは、アスペクト比16:9の表示解像度1920×1080ドット、画素ピッチが0.276mmのTN液晶パネルである。応答性が高く、中間色では2msとなっている。輝度は250cd/m2と、液晶テレビなどと比較すると抑えられているが、明暗のコントラスト比は200万分の1という恐るべきものだ。というのも、LEDエッジライトを採用することで、バックライトの明るさを部分的に調整できるようになったからである。

 これは、映像エンジンの「F-Engine」機能によるもので、画面や映像の光点があるラインのLEDをより明るく、暗部が多ければLEDの駆動電圧を細かく調整して暗くしている。1本全体が光る冷陰極管ではこうはいかない。本機のLEDエッジライトでは、“原理的に”ではあるが、画面を縦方向に84分割して明るさを個別に調整するのと同じことができる(実際は数ブロックに分割して制御)。ちなみに、F-Engineをオフにした場合のコントラスト比は1000:1となる。

 いくつかの静止画と、ビデオコンテンツで体感してみたところ、F-Engineを有効にした場合、静止画ではグレートーンのコントラストが高くなり、白はより明るく、黒はより暗くなるように見えた。アニメーションの爆発シーンなどでは、その差がより顕著である。日常でのパソコン利用に目が疲れにくいノングレア液晶となっているが、ビデオ作品なども十分楽しめる表示品質といえよう。なお周囲の明るさを感知して、表示画面の明るさを自動調整する「自動輝度」などの機能も有している。

ムービーモードで表示

ムービーモードで表示。ピーマンの光沢が輝き、キュウリの影の部分がより黒く表現されている

F-Engineのデモモード(左がF-Engine有効、右がノーマル)で、いくつかの画像を表示させてみた。F-Engine側では、明暗トーンが直線から強調タイプとなり、色もより鮮やかになる

OSD MENU

OSDの画面。MENU:明暗、コントラスト、位置(フェーズ)、OSD位置などの基本設定

OSD SOURCE

SOURCE:D-SubおよびDVIは自動認識だがHDMIは手動切り替え

OSD SMART

SMART:周囲の明るさによる輝度の自動調整機能はオンにしておきたい


価格相応だが、大画面フルHDは魅力たっぷり

 入力コネクタ類は、本体背面のスタンド固定足部分に、HDMI 1.1×2系統、DVI(HDCP対応)、アナログRGB(D-Sub 15ピン)、ヘッドホン端子(HDMIオーディオ)の順番で並んでいる。同時に4ケーブルの接続も可能だが、表示する入力ポートの切り替えは手動になる。

背面下部に各入力端子が並ぶ

背面下部に各入力端子が並ぶ。ケーブルの抜き差しはたやすい

 上記の切り替えなどは、本体右下のタッチセンサーと、OSDでの操作となる。指が軽く触れるだけで、内部のLEDが赤く輝き、各スイッチの位置を示してくれる。ゲーム/ビデオなどコンテンツに応じたモードの切り替え、簡易ズーム機能、フォトエフェクトなど多彩な機能を搭載するのだが、残念なことに、タッチセンサーの反応が極端に悪い。

タッチセンサー

手で触れると赤色LEDが灯り識別しやすくなるタッチセンサー(電源LEDの右にあるのが環境光センサー)。しかしタッチセンサーの反応が悪く、スムーズに操作できない

 店頭展示品でも確認してみたが同様なので、個体の問題ではなく機構上の仕様のようである。静電容量方式のタッチセンサーはベゼル表面をフラットにできて、デザイン性が高いのだが、満足に使えないようでは意味がない。一度調整してしまえば、触れる機会の少ない操作部ではあるが、センサー感度を良くするか、さもなくば簡易な外部リモコンなどへの変更を期待したいところだ。


 発売当初こそ4万円台だったW2486L-PFの実売価格も、本稿執筆時点では3万6000円前後に落ち着いてきている。パソコン用の24型ワイド液晶ディスプレーとしては、まだまだWUXGA(1920×1200ドット表示)が主流で、最安価帯で4万円前後、根気よく探せば型遅れの特価で2万円という商品もあるがスペック上の問題もある。一方でW2486L-PFのLEDエッジライトは、バックライトの寿命の点でも冷陰極管より優れており、LGの3年保証、保証期間内修理の代替機貸し出しサービスなど、ビジネス利用でもメリットがある。

 本体のスリムさと軽さを活かせば、家庭内や職場内での移動もたやすい。手軽な24型ワイドフルHDディスプレーとして、必要なときに必要な場所に持っていって使う。大画面モニターの新たな活用法を提唱できる製品といえよう。

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