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自作erがレビューする「Mac Proってどうよ?」

2009年06月17日 23時30分更新

文● Jo_Kubota

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いよいよWindows機として使ってみた

 最初に気になるのは、定番のベンチマークでどの程度のスコアを見せてくれるのかと言う点。やはり注目はCPU性能だろう。というわけで、CPU性能が顕著に現れるベンチマークを使って、Core i7-965 Extreme Edition(以下Core i7-965 EE)、Phenom II X4 955 Black Edition(以下、Phenom II X4 955 BE)と比較してみる。

 テストPCのスペックは以下のとおりだ。

項目 MacPro Core i7-965 EE System Phenom II X4 955 BE System
CPU Xeon E5520 2.26GHz ×2 Core i7-965 Extreme Edition 3.20GHz Phenom II X4 955 Black Edition 3.20GHz
マザーボード MacPro MSI X58 Pro(Intel X58 Express BIOS 7.1) MSI 790FX-GD70(DDR3、AMD 790FX BIOS 1.2)
メインメモリ PC3-8500 DDR3 SDRAM 1GB×6 PC3-8500 DDR3 SDRAM 1GB×3 PC3-8500 DDR3 SDRAM 2GB×2
グラフィックスカード GeForce GT 120(グラフィックスメモリ 512MB) ATI Radeon HD 4770 リファレンスカード(グラフィックスメモリ 512MB) ATI Radeon HD 4770 リファレンスカード(グラフィックスメモリ 512MB)
ストレージ HGST HDE721064SLA 640GB HGST HDP725050GLA360 500GB SSD OCZ Vertex Series 120GB
電源ユニット 推定 1200W Cooler Master RealPowerPro 1250W(定格1250W、ピーク1500W) Cooler Master RealPowerPro 1250W(定格1250W、ピーク1500W)
OS 64bit版 Windows Vista Ultimate 32bit版 Windows Vista Ultimate 32bit版 Windows Vista Ultimate

 Phenom II X4 955のストレージはHDDに揃えるのが自然だが、後述するPC Mark Vantageがストレージデバイスの影響を大きく受けるということを見てもらうために、あえてSSDを選んでいる。

 ベンチマークと言えば、「3DMark Vantage」および「3DMark 06」が定番だが、両者ともCPUの項目で止まってしまうため、スコアを得ることができなかった。筆者も16CPUでのテストは行なったことがないので、これがソフトウェアの問題なのか、それともドライバーやOS側の問題なのか、正直なところよく分からない。

Quadコア×2CPU×Hyper-Threadingで合計16CPUとして認識される


CPUの実力が発揮できていないエンコード

 まずはエンコード性能から見ていこう。エンコード(トランスコード)では定番の「TMPGEnc 4.0 Xpress」と、サイバーリンクの「Media Show Espresso」を使用した。元動画は解像度720×480ドット/5分33秒のMPEG2ファイル(DVDソース)で、以下の3つのパターンでエンコードを実施している。

TMPGEnc 4.0 Xpress

  1. MPEG-2(720×480ドット)→MPEG-4(352×288ドット)
  2. MPEG-2(720×480ドット)→WMV(720×480ドット)
  3. MPEG-2(720×480ドット)→Blu-ray MPEG2(1920×1080ドット)

Media Show Espresso

  1. MPEG-2(720×480ドット)→MPEG-4(720×480ドット)
  2. MPEG-2(720×480ドット)→WMV(640×480ドット)
  3. MPEG-2(720×480ドット)→MPEG2(1920×1080ドット)

 どちらのアプリケーションもグラフィックスカードで演算する「GPGPU」をサポートしている。TMPGEnc 4.0 Xpressは「NVIDA CUDA」、Media Show Espressoでは「ATI Stream」が使用できるが、ここではどちらもオフにして純粋にCPUのみで演算させた。グラフの単位は「秒」なので、バーが短いほど高速に処理を終えていることになる。

エンコード中のCPU使用率はわずか20%。ほとんどのCPUが遊んでいる状態だ

 Phenom II X4 955 BEのシステムのみストレージにSSDを用いているため、若干有利となっているが、それを割り引いて見ても、Mac Proのエンコード性能は決して速いとは言い切れない。その要因は、CPUコア数が多すぎるため、調停によるオーバーヘッドが大きく影響してしまうためだ。

 それでも2.26GHzのXeonが、Media Show EspressoのMPEG-2のアップコンバート変換で3.2GHzのCore i7-965を上回ったことからも、コア数の効くエンコーダーやトランスコーダーアプリケーションを用いれば、そなりに意義が見いだせそうだ。


3D CGのレンダリングは圧倒

 続いてはCPUで3D CGレンダリングを行なう「CINEBENCH R10」だが、こちらはいかんなく16CPUの実力を発揮し、他を圧倒している。こういった用途がMac Pro本来の使い方だろう。


ゲーム機としての性能は……

 GeForce GT 120(GeForce 9500 GT相当)のMac Proだが、実際のゲーム性能はどのくらいあるだろうか。ということで、比較的軽いオンラインゲームのベンチマーク、「モンスターハンターフロンティアオンライン」と、Unreal Engine 3.0を採用するRPG「ラストレムナント」のベンチマークを取ってみた。

 比較対象のCore i7-965、Phenom II X4 955は、ともにミドルレンジのグラフィックスカードとなる「ATI Radeon HD 4770」にて計測している。

 ATI Radeon HD 4770と比べてしまうのは、やや酷かもしれないが、GeForce GT 120に、ゲーム性能はあまり期待するのは、やはり厳しいことが分かる。

 とはいえ、スコア自体はゲームがプレイできないというレベルではなく、普通に遊べる程度のパフォーマンスはある。ゲームを考えるなら、やはりオプションでATI Radeon HD 4870を搭載したいところだ。

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