iPhone OS 3.0については、すでに今年3月にβ版のプレビューという形で、主要な新機能が発表済みだった。今回のアップルの開発者向け会議「WWDC」にて、その正式発表を行なうことは確実視されていたものの、さほど目新しい要素はないのではないかと懸念があったのも事実だ。
しかしフタを開けてみれば、やはりいくつかの「隠し球」が用意されていた(関連記事その1、その2、その3)。ここでは、3月のβ版の発表時に明らかにされていた機能を復習しつつ、iPhone OS 3.0ならではの気になる新機能から6つをピックアップしてみていこう。
3月の「β」でも数多く発表されていた
まず3月に発表された3.0β版の時点では、現行のOS 2.2.1に比べて、1000以上の新しいAPIと100以上の機能を追加したと言われていた(関連記事)。これらのうち、開発者が利用可能なAPIで主なものを挙げれば、次の6点に集約できるだろう。
- アプリ内課金
- プッシュ型通知
- ピア・ツー・ピア接続
- マップ
- アクセサリのためのアプリケーションインターフェイス
- iPodミュージックライブラリへのアクセス
また、ユーザーが直接使える新機能として具体的に挙げられたのは以下のようなものだ。
- カット、コピー&ペースト
- MMS
- 横方向でも見ることができるMailやテキスト、メモ
- ステレオBluetooth(A2DP対応)
- メモのMacおよびWindows PCへの同期
- シェイクでシャッフル
- テレビ番組/ムービー/アプリのペアレンタルコントロール
- 公衆無線LANでの自動ログイン
こうした3.0の新しいAPIや新機能は、どれも現行iPhone 3Gで利用可能なものだったため、「もっと新要素はないのか」と落胆したも人もいたのではないだろうか。しかしこの3月の時点において、iPhone 3G Sは完全にベールに包まれた状態だったから、当然といえば当然だ。
裏を返せば、当時からウワサされていた新しいハードウェア固有の機能は、正式なOS 3.0でサポートされ、β版ではアナウンスしなかったAPIや機能もまだまだ出てくるだろうという期待につながるものでもあった。
その予想通りに、今回のWWDCでiPhone OS 3.0が登場し、やはり新しいハードウェア「iPhone 3G S」だけで実現可能なものが追加された。さらに、従来のiPhone 3Gでも使える新要素が投入されており、期待以上と言ってもいいだろう。
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