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| 林信行氏 |
MacもiPhoneも大々的な発表があった、アップルの開発者向けイベント「WWDC」。世界中から5000名を超える開発者が集まり、例年にない盛り上がりを見せたこのイベントはどんな意義があって、今後、MacやiPhoneの世界にどのような変化をもたらすだろうか?
アップル関連製品、ネットサービス、携帯電話などを追い続けているジャーナリストの林信行氏を直撃取材してコメントをもらった。
目次
基調講演の評価
iPhoneがもたらす影響
Macに与える影響
「ジョブズ不在」は何の問題もなかった
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| アップルCEO、スティーブ・ジョブズ氏。写真はWWDC 2008のもの |
今回の基調講演はスティーブ・ジョブズが不在ということで、アメリカに来るまではちょっと残念に思っていたところもあります。
しかし、WWDCが実際に始まってみるとそんなことは忘れていて、ウェブのどこかで「ジョブズ不在のWWDC」という記事を見て、初めて「そういえば今回、ジョブズは来ていなかったんだ」と思い出したというのが正直なところです。
ジョブズがいなくても、いつものアップルのイベントと変わらずに、朝早くから基調講演の会場を一周する大行列ができて、プレスは席の奪い合いをしていました。そしてふたを開けてみれば、Macのハードとソフト、iPhoneのソフトとハードという、ある意味、アップルの主力事業すべてがアップデートされました。
発表の量と質に圧倒されて、ジョブズがどうこうということはすっかり忘れていました。主にプレゼンを進めた上級副社長のフィル・シラーは、以前より痩せたということもありますが、やや目つきが鋭くてジョブズ風にも見えます。
![]() | シラー氏は過去の基調講演では、どちらかといえばユーモラスな役割を演じていた。写真はMacworld 2007で背景を変えながらiChatをするというデモの様子 |
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「ジョブズ不在時代を経て、アップルの製品開発が乱れているかな?」「新しいiPhoneはいろいろ機能を付けすぎたり、スペック偏重になっていないかな?」と心配していた部分もあります。
しかし、ハード的な強化はやや控えめにして、その分、新OSであるiPhone 3.0の投入で製品を魅力的にするという、非常に堅実な方針をとっていてとても安心感を覚えました。デザインの変更を楽しみにしていた人はつまらないかもしれませんが、製品を成熟させる上では正しいやり方だと思います。
ひとつだけ難癖を付けるとすれば「iPhone 3G S」という名前で、もう少しシンプルで美しいものにしてほしかった。「3G」とはいうものの、iPhoneが発売されている81ヵ国の中には、まだ3Gネットワークを持たない国もあるわけです。ただの「iPhone」でいいと思います。実際、製品背面の刻印はそのようになっていますし。
iPhoneは人々の生活を変え始めている
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| 患者の容態をプッシュ通知で教えてくれるエアストリップ・テクノロジーズの医療用アプリ |
今回の基調講演は、もちろんMacとiPhoneを発表したアップルが主役といえばそうなんですが、それ以上にアップルがサードパーティーを立てていたことが印象に残っています。
基調講演では、壇上にも、上映したビデオにも、大勢のiPhone開発者が登場していました。そのうちの1社、エアストリップ・テクノロジーズ(AIRSTRIP TECHNOLOGIES)は、医療現場にiPhone 3Gを持ち込んで革命を起こそうとしています。
また、エコがますます重要視されるこれからの世界を考える上でとても大切な、カーシェアリングのサービスを提供する企業、ジップカー(ZipCar)も呼ばれていました。同社は、専用のiPhoneアプリを作ることで、例えば自分の近くにある空いている車を見つけたり、借りる車が駐車場のどこにあるのかiPhoneからクラクションをならして場所を確認したり、といったことを実現しています。
同時期、アメリカのTIME誌では、Twitterが映し出されたiPhnoeを表紙に使っていました。サードパーティーを巻き込んで、iPhoneは確実に人々の生活に大きな影響を与え始めています。この部分が日本ではしっかりと紹介されていないのではないかと、ちょっと心配しています。
そうした状況を分かりやすく説明するために、今回、アップルが、例えば、iPhoneを医療機器として採用し始めた病院の事例などをビデオで見せたのも、とてもいいことだと思います。できれば、あのビデオに早く日本語字幕を付けて、iPhoneをこれまでの携帯電話と同じコンテクストで見ている人に見てほしいです。












