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COMPUTEX TAIPEI 2009レポート 第3回

インテルが次世代Atomや新チップセットを発表!

2009年06月02日 23時59分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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Atom1周年記念ケーキ

COMPUTEX TAIPEI 2009は、2008年にAtomが発表されてからちょうど1年になる。Atomの1周年を祝い、大きなケーキが披露された

 アジア最大のコンピュータ機器見本市「COMPUTEX TAIPEI 2009」初日の2日には、米インテル社が基調講演とモバイル製品に関する説明会を開催し、次世代Atomとネットブック向け新プラットフォーム、デスクトップやノート向け新チップセットなどを発表した。これら講演から注目のトピックを抜粋してお届けしよう。


次世代Atom「Pineview」と
新ネットブックプラットフォーム「Pine Trail」

「Pine Trail」を搭載するASUSTeK EeePCの試作機

本邦初公開された、次世代ネットブック向けプラットフォーム「Pine Trail」を搭載するASUSTeK EeePCの試作機

ムーリー・エデン氏

インテル モバイル・プラットフォーム事業本部長のムーリー・エデン氏

 モバイル製品説明会で、米インテル モバイル・プラットフォーム事業本部長のムーリー・エデン(Mooly Eden)氏は、次世代ネットブック向けプラットフォーム「Pine Trail」と、次世代Atom「Pineview」についての情報を公開した。

 Pine TrailはCPUのPineviewと、チップセット(I/Oコントローラー)の「TigerPoint」で構成される、ネットブック向けの新プラットフォームである。次世代Atomとして知られていたCPU「Lincroft」や、新プラットフォーム「Moorestown」が、次世代の携帯インターネット機器(MID)向けに位置づけられるのに対して、PineviewとPine Trailプラットフォームはコスト重視のネットブック向けとなる。

Pine Trailと既存のネットブックの違い

Pine Trail(右)と既存のネットブックの違い

 Pineviewは、おそらく市場に投入されるインテルCPUでは初となる、GPU機能内蔵型のCPUである。AtomベースのCPUに、DDR2対応のメモリーコントローラーとGPU機能(グラフィックスエンジンとデジタルディスプレー出力)を内蔵している。一般的なネットブックで使われるIntel 945GSE Expressチップセット(GMCH)の機能が、まるまるAtom内に入ったと考えれば分かりやすい。

 Pineviewと組み合わせるTigerPointチップセットは、現在のICHに当たる機能を提供する。現在のネットブックは、CPU+2つのチップセットの3チップで構成される。これに対してPine Trailは、CPUとGMCHがひとつになることで、2つのチップでネットブックの中枢部分を構成可能になる。ネットブックのさらなるコストダウンが可能になるほか、CPUとGMCHの一体化によるパフォーマンスの向上も期待できる。

MSI製のPine Trail搭載試作機

MSI製のPine Trail搭載試作機。見た目は既存のWind Netbookシリーズと変わらない。Pine Trailでもネットブックの携帯性の高さは維持されるようだ

 Pine TrailやPineviewの詳細仕様については公開されなかったが、講演で披露された(台湾MSI社や台湾ASUSTeK社による)デモ機で確認してみたところ、CPUは1.66GHz動作で2つのコア(物理コアか論理コアかは不明)を備えていた。また、GPU部分は「Intel PineView Mobile Express Chipset Family」という名称のドライバーで動作していた。一方、TigerPointに当たるICH部分は、Intel 945GSEと同じく「82801G」(ICH7)として認識されていた。TigerPointの実体は、CPUとのインターフェース部分をPineview用に改良したICH7、なのかもしれない。

デモに使用されたPine Trail搭載機のデバイスマネージャー画面

デモに使用されたPine Trail搭載機のデバイスマネージャー画面(OSはWindows XP)。CPUは1.66GHzでAtom N280と同じ。GPUは「PineView Mobile~」となっている

 Pine Trailを採用したネットブック製品は、2009年末には登場するとのこと。年末の新ネットブックに今から期待したい。

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