騒音測定開始
測定は、電源ユニットの16-17ピンをショートさせ、電源を入れた状態で、無負荷状態としている。また電源ユニットだけの測定ではもったいない(?)ので、騒音の比較として8cmのPCケースファン、卓上型の扇風機、回る物体の音ということで地球ゴマを用意し、合わせて計測を行ってみた。
測定位置は、物体の正面中央を基準に、50cm離れた場所にマイクを設置している。当初、JIS規格などで規定されている1m離れた位置から測定してみたのだが、暗騒音と同じ6dBしか検出できなかった(≒測定できていない)ため、位置を近づけた次第だ。
測定時の気温は18℃、湿度52%で、1分間連続して測定し、平均化している。
その結果をグラフにしたのがこちら。騒音値はdB単位で、周波数特性はA特性となっている。(一般に、dBAと表記される形式)
50cm離したファンの騒音が23dBであることを考えると、9dBという数字が現実的な数字なのが分かる。室温が比較的低いこともあるが、アイドル時の音は本当に静かで、かなり耳を近づけないと音は聞こえない。まさに見事というほかない。
この静かさを実現しているのは、「MAGMAファン」と名づけられたENERMAX独自のファンによるところが大きい。回転数が低いことも理由の一つだが、それだけではない。羽は「Batwing Blades」と名づけられた独自の形状で、同型のファンに比べて10~20%風量を稼げるとしており、その結果、同じ風量であれば、通常のファンより回転数を下げられることを意味している。またファンの軸受けは「Twister Bearing」が採用され、スリーブとボールベアリングの中間のような構造となっており、静音性と高い耐久性を実現している。
では、本当にこのファンで電源が冷却されているのだろうか? 気になるので、次ページでは今度は電源内部の温度を調べてみよう。
(次ページへ続く)