TDP 25Wの省エネCPU!
Q4 CPUは何が変わったの?
A4 FSBの高速化と、TDP 25Wの低消費電力版登場が大きな違い。
まずFSBは、従来CPUの最高800MHzから、1066MHzまで周波数を引き上げた。これにより、CPUとチップセット間の通信速度が大幅に向上し、システム全体の性能を引き上げる(無論、これだけで劇的に変わるわけではないが)
また「Pxxxx」のプロセッサー・ナンバーが付いた3製品は、TDPが25Wという低消費電力で動作する。従来のノートパソコン向けCore 2 Duoや、新製品でも「Txxxx」の付いた2製品は35Wだ。スペック表を見てみると、Pxxxx番台は高周波数モード時の電圧の下限が0.1Vほど下がっており、これが功を奏しているようだ。インテルの資料によれば、CPUの平均消費電力は最大27%も低下しているという。
同じ設計や製造プロセス(45μmプロセス)を使いながら、CPUのクロック周波数(つまり処理性能)を落とさずに、TDPだけを下げたCPUを大量生産するのは非常に難しい。おそらくインテルの45μmプロセスCPUに関する製造技術が熟成し、低電圧でも高クロック動作するCPUを安定して製造できるようになったおかげではないだろうか。
バッテリー駆動時間が少しでも長いマシンが欲しければ、CPUにPxxxx番台を搭載するマシンを選ぼう。
Q5 チップセットは何が変わったの?
A5 新しい「モバイル Intel 4シリーズ」チップセットは多くの要素が強化されているが、特にBD再生にも対応する内蔵グラフィックス機能(GPU)の強化と、DDR3メモリー対応が大きな特徴だ。
まず、GPU内蔵型の「Intel GM45 Express」(Intel GM45 GMCH)の場合、内蔵GPU機能が「Intel GMA X4500HD」という新しい機能に変更された。このGPUはDirectX 10に対応し、3Dグラフィックス性能が向上している。
さらに、GPU内にBlu-rayディスク(BD)ソフトに使われるH.264などのハイビジョン映像コーデックのハードウェアデコード機能を内蔵。外付けGPUを必要とせずに、BDの映像をパソコン上で楽しめるようになった。これにより、外付けGPUを持たない安価なパソコンにも、BD対応製品が増えていくだろう。
メモリーはDDR2-667/800と、DDR3-800/1066に対応する。DDR2が動作電圧1.8V程度に対して、DDR3は1.5Vと、高速かつ低消費電力となっている。しかし、メモリー自体の価格がまだ高いためか、15~16日に発表された各社のCentrino 2対応ノートパソコンでも、DDR3メモリーを採用する製品はまだ少数派だ。
そのほかにも、CPUと同じ1066MHz FSB対応、映像出力端子としてHDMIとDisplay Portなどに対応、チップセット内蔵GPUと外付けGPUを動的に切り替える「スイッチャブル・グラフィックス」機能の搭載といった特徴を備える。スイッチャブル・グラフィックスは、ソニーの「VAIO type Z」(関連記事1)やレノボ・ジャパンの「ThinkPad T400」(関連記事2)などが対応している。
Q6 バッテリー駆動時間は長くなる?
A6 製品にもよるが、性能は向上しながらバッテリー駆動時間は同等、また長くなる可能性がある。
前述のとおり、Core 2 Duo Pxxxx番台は低消費電力化を実現しているほか、DDR3メモリーも電圧が下がったおかげで、それぞれ低消費電力化を実現している。また、スイッチャブル・グラフィックスに対応するノートパソコンならば、バッテリー駆動時にはGPUをチップセット内蔵側に切り替えることで、消費電力を低減することも可能となる。
CPUやメモリーだけでバッテリー駆動時間が決まるわけではないが、Centrino 2搭載ノートパソコンは、従来製品と比べて優れた性能/バッテリー駆動時間のバランスを実現できそうだ。