OperaやWebKitが一歩進むモバイルブラウザー
モバイル用のブラウザーで思い出すのは、日本の携帯電話機でもすでに導入事例のあるOperaだ。軽量・高速をウリに、Operaはすでにモバイル以外にもセットトップボックスや家庭用ゲーム機「Wii」などの家電分野で導入事例がある。Opera 9.5で導入された「Operaリンク」という、異なるマシンのOpera間でブックマークなどを同期できる機能は、まさにモバイルを意識した戦略だろう。
また、iPhoneに搭載されている「Safari」の「WebKit」もすでにモバイル分野で大きな存在感を持っている。海外のスマートフォンでは、Webkitが使われることが多くなったし、Windows MobileでもWebKitをベースにしたブラウザー「Iris Browser」が登場した。グーグルが中心となって作ったモバイル規格「Android」でも、WebKitが採用されている。
こうしてみると、Mobile Firefoxはほかのブラウザーに比べて一歩動きが遅れているようにも見える。実際の実装がどうなるのかまだ未知数な部分も多いが、単に表示が速いだけでは、モバイルでシェアを握ることは難しい状況だろう。もちろん機能もさることながら、オープンソースの強みを生かせるか――組み込み分野で採用が広がるか――がカギのように思う。順当に開発が進めば、最初のアルファ版は8月29日ごろに公開される予定だ。
Mobile Firefoxの正式名称は?
最後に、現在ウェブ上では「Mobile Firefox」と「Firefox Mobile」の両方の名称が使われており、開発者の間でもどうやら統一されていないようだ。むしろ、開発コードネームのFennec(耳の大きなキツネの種類)のほうが、すでにロゴも作られるなどしているだけに、正式名称的に扱われているようにも見える。筆者の考えでは、これまでのMozillaのブラウザーを見る限り、正式版が出た段階で、Mobile Firefoxは名称を変更する可能性があると思う。