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WebM、WebGLなど最新技術にも対応

「Firefox 4」ベータ第1版の注目機能をチェック

2010年07月08日 18時30分更新

文● 海上忍

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 Mozillaは7日、今秋のリリースが予定されているWebブラウザ次期バージョン「Firefox 4」のベータ第1版(Beta1)を公開。「Firefox 4 Beta」ページにて配布を開始した。現時点では英語版のみ、開発者やテスター向けのリリースだが、現行のv3.6系にないさまざまな新機能が搭載されている。

今秋の正式リリースが予定されている「Firefox 4」のベータ第1版が公開、さっそくMac OS X版でテストを実施した


「Firefox 4」ベータ第1版の主要な変更点

 Firefox 3がリリースされたのは2年前、2008年7月のこと。その後2009年6月にバージョン3.5、2010年1月にバージョン3.6がリリースされたが、メジャーバージョンは据え置かれた。今秋のリリースが予定されるFirefox 4は、2年数ヵ月ぶりのメジャーバージョンアップであり、その点からも大幅な刷新が期待される。

 主要変更点については、Mozillaが「Firefox 4 Beta Technology」で公開しているリストをチェックすることが近道だ。Mozilla Japanも、公式ブログに主要な変更点を記したエントリを投稿しているので、あわせて参照してほしい。

 重要な変更点をザッとピックアップしておくと、「WebM」サポート、「WebSockets」や「Indexed DB」などHTML5および次世代Web技術への対応、新JavaScriptエンジン「JaegerMonkey」(Jaegerの「a」はaウムラウト。本稿ではMozilla Wiki掲載の表記に従っている)、GPUアクセラレーションを効かせた3D描画を実現する「WebGL」サポート、新しいアドオンマネージャの採用やユーザインターフェイスの改良を挙げることができる。このレビューでは、そのうちWebMとJaegerMonkey、WebGLについてチェックする。


ビデオフォーマット「WebM」のサポート

 Firefox 4最大のトピックは、やはりWebMのサポートだろう。Googleが今年2月に買収したOn2 Technologiesのビデオコーデック「VP8」をコアとし、原則オープンソース/ロイヤリティーフリーで提供されるこのビデオフォーマットは、コーデックに関する取り決めのないHTML5の<video>タグにおいて、H.264の対抗馬になりうると目されている。Mozillaでは、WebMのオープンソース化直後から開発版(Nightly Builds)での検証を続けてきたが、今回のFirefox 4 Beta1でテスト範囲を拡大した格好だ。

 WebMのテストは、「YouTube HTML5 動画プレーヤー」で実施した。WebM対応ブラウザでこのサイトにアクセスし、画面下部の「HTML5ベータ版を有効にする」をクリック、適当なキーワードで検索したあとURLの末尾に「&webm=1」を加えて検索し直すと、WebM対応コンテンツを発見できるので、それを再生できるかどうか確認した。

 結果はOK、YouTubeのプレイヤーのツールバーに「HTML5・WEBM」の文字を確認できた。ちなみに、Safari 5などHTML5対応/WebM非対応ブラウザでは、その映像コンテンツがH.264でもエンコードされていれば、プレイヤーの同じ位置に「HTML5」と表示される。

YouTubeのWebMコンテンツを再生したところ。ツールバーに「HTML5・WEBM」の文字を確認できる

 ところで、Firefox 4ではMac OS X版もプラグインの別プロセス化(Out Of Process Plug-ins、OOPP)に対応しているため、Flashプラグインは別プロセスとして実行される。このとき、Dock上のFirefoxアイコンが増加する(Beta1だからか? 困った仕様だ)が、WebMは"特定のプラグイン"として認識されるよう実装されていないらしく、プロセスおよびアイコンの増加は発生しなかった。

Mac OS X版がOOPPに対応したことは歓迎すべきだが、子プロセスとしてFlashプラグインが実行されると、Dock上にアイコンが増えることには閉口した

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