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松村太郎の「ケータイが語る、ミクロな魅力」 第26回

フルチェン・ナカチェン「re」

2008年06月05日 16時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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ユーザーの「飽き」にどう対応するか


外装のカスタマイズが可能なケータイといえばソフトバンクの「fanfun. 815T」が有名

 昨今のデザインケータイや豊富なカラーバリエーション、更には素材感による差別化など、ケータイはデザイン面での多様化が進んでいる。すべてが「どんぴしゃり」というわけにはいかないかもしれないが、おおよそ自分の好みのケータイを手にするユーザーも多いのではないだろうか。

 しかしデザインが気に入って選ばれたケータイは、同じ理由、つまりデザインや色が気に入らなくなって愛され続けなくなってしまうことがある。今年の夏は緑が気に入っているけれど、秋になったらモノトーンがいいだとか、あのキャラクターが好きだったけれども飽きてしまった、だとか。ワガママかもしれないけれど、毎日手の平にある端末だ。そのくらいワガママを言ってこだわって選んでもいいはずである。

 そこで登場したのが、着せ替えパネルだ。ディスプレーの背面のパネルを入れ替えることで、端末の印象を変化させることができる。気に入ったデザインや色、素材のパネルを付けて飽きるのを食い止められるのだ。

 では、これはどうだろう? 落下による傷である。ケータイを落とした瞬間はぞっとする。そして傷ついたケータイを目の当たりにしたときに、その端末に対する愛がきゅっと冷めるでも瞬間である。前述の着せ替えパネルが傷ついたなら修復しようがあるが、それ以外のパーツの傷はちょっと直すのが難しい。



同じ端末でも「新鮮な気持ち」


 しかしこの「re」は着せ替えパネルどころか、端末の外装全体が取り外し可能で、まるっきり違う端末に生まれ変わることができるケータイなのだ。端末全体の世界観を変えるだけでなく、気になる傷もすっきりなくなるし、端末を開いたボタン面まで変わるからすごい。

外装ナシ

外装を取り払ったケータイ。この状態の端末を見ることができるのも、意外とカルチャーショックだ

着せ替えのツールで一番感心したのがダイアルキー。しっとりとしたタッチを実現している

 ディスプレー側の外装にはメタルを使用。丸ごと変えられるダイヤルキーも、安っぽくないしっとりとしたタッチを実現しているところには、着せ替えられることと、上質へのこだわりの両立を感じられる。

 着せ替えるのは外装だけではない。メインメニューについても、外装にちなんだデザインのものに変えられるようになり、端末の画面の中の着せ替えもより踏み込んだ対応が可能になった。

 ユーザーにとっては、同じ端末を使っていながら、まったく違うデザイン、質感、そして世界観を持つ端末に生まれ変わることで、再び新鮮な気持ちで使い始めることができる。「買い方が変わったが頻繁にケータイのデザインを変えたい」という要望だけでなく、機能面でもニーズに応えている点が新しい。

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