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緊急企画!地デジチューナー比較

発売中の地デジチューナー、買いは一体どれだっ!!【後編】

2008年05月31日 20時00分更新

文● Jo_Kubota

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ラインナップが豊富なピクセラ製品

 今回借用はできなかったが、ピクセラからも3種類の地デジ対応キャプチャーカードが登場している。各モデルの大きな違いは表の通りだ。

ピクセラ製地デジ対応キャプチャーカード
  地上デジタル BS/CS110 地上アナログ ビデオ入力 ダブル録画
PIX-DT012-PPO × × ×
PIX-DA022-PPO ×
PIX-DT050-PPO × × × ×

 まずは最も安価でベーシックな「PIX-DT050-PPO」について紹介しよう。同製品はPCI接続のデスクトップPC向け製品だ。チューナーは地デジのみ対応で、番組表はEPGのみとなっている。またタイムシフトに対応しているが、バッファローのように自動ではなくタイムシフト設定をしておく必要がある。双方向通信やデータ放送、字幕などに対応しており地デジの機能をフル活用できる点が魅力となっている。
 録画機能としては、リリーフ録画機能を備え、万が一HDDがいっぱいになってもあらかじめ予備のHDDを登録しておけば自動的に切り替えて録画してくれる。録画のビットレートは約17Mbps固定で、トランスコード機能は有していない。標準価格は2万4800円。

PIX-DT050-PPO

PCI接続の地上デジタル対応TVキャプチャボード「PIX-DT050-PPO」。地デジのみ対応のスタンダードとなるモデルだ

 続いて、BSとCS110°にも対応したのが「PIX-DT012-PPO」だ。基本的には前述の「PIX-DT050-PPO」にBS/CS110°チューナーを追加したもので、チューナー以外に違いはほとんどない。標準価格は2万9800円となっている。

PIX-DT012-PPO

地上デジタル放送のほかに、BSとCS110°にも対応した「PIX-DT012-PPO」。チューナー部とB-CASカードリーダー部が別々のため、PCIブラケットを2つ占有する

 そして「PIX-DA022-PPO」は、「PIX-DT050-PPO」に地上アナログ放送のチューナーとビデオ入力を追加したモデルとなっている。このモデルのみダブルチューナー仕様となっており、地デジと地アナの両方の番組を同時に録画あるいは視聴できる。またビデオ入力の録画にも対応しており、VHSなどのビデオをデジタル化する際にも重宝する。標準価格は2万7800円。地上アナログ放送はあと3年で終わってしまうが、ビデオ入力付きの地デジチューナーカードの選択肢はこれしかなく、価格差などを考えると一番使い勝手がよいかもしれない。

PIX-DT012-PPO

地上デジタル放送と地上アナログ放送の両方に対応した「PIX-DT012-PPO」。こちらもチューナー部とB-CASカードリーダー部が別々のため、PCIブラケットを2つ占有する

 なお、6月10日発売の週刊アスキーでもPC向け地デジ特集を掲載するので、ピクセラ製品はそちらの記事を参照してもらいたい。

どれがお買い得?

 4製品を使ってみた感想から言えば、すべて一長一短で、コレ!という決め手にかける。今回ピクセラの製品は使用していないものの、機能面だけを見てもやはり他の製品に比べて見劣りする面があり、真打と呼べる製品はまだ無い状態と言えるだろう。
 しかし、地デジがPCで扱えるようになった点は歓迎すべきで、待ち望んでいた人も多い。というわけで、スペック別にオススメ製品をリストアップしてみよう。

予約重視

 ともかく再生するより録画!というのであれば、安定して予約が実行できた「MonsterTV HDUS」が第一候補、次点は番組表の見やすいアイ・オー・データ機器の「GV-MVP/HS」だ。バッファローの「DT-H50/PCI」、「DT-30H/U2」は番組表のダウンロードが明示的に行なえないため、iEPGを利用することになるのがやや煩雑だ。

MonsterTV HDUS

安定して予約が実行できたSknetの「MonsterTV HDUS」が第一候補

GV-MVP/HS

次点は番組表が見やすいアイ・オー・データ機器の「GV-MVP/HS」

録画容量重視

 これはバッファローの「DT-H50/PCI」と「DT-30H/U2」しか選択肢はない。他の製品はすべてハイビジョンのまま録画するためディスク容量をかなり圧迫するが、バッファローの製品はトランスコード機能によりディスク容量を節約して録画可能だ。

トランスコード機能を備えており、低スペックのPCでも地デジが楽しめるバッファローの「DT-H50/PCI」(左)と「DT-H30/U2」(右)

地デジとしての機能重視

 双方向通信、データ放送に対応するアイ・オー・データ機器の「GV-MVP/HS」が最も充実している。

GV-MVP/HS

地デジとしての機能を重視するなら、双方向通信とデータ放送に対応するアイ・オー・データ機器の「GV-MVP/HS」がオススメだ

PCI Expressを活用する

 PCIが埋まっている、USBでは不安だという声に応えられるのは、今のところアイ・オー・データ機器の「GV-MVP/HS」のみとなっている。内蔵派なら「GV-MVP/HS」が最適だろう。

GV-MVP/HS

PCI Express x1接続の製品は、現在のところアイ・オー・データ機器の「GV-MVP/HS」しか存在していない

低スペックのPCで地デジが見たい

 これはトランスコード機能を持つバッファロー製が最適だ。デスクトップPCなら「DT-H50/PCI」、ノートPCとの共用を考えるなら「DT-30H/U2」を選ぶとよいだろう。

トランスコード機能を備えており、低スペックのPCでも地デジが楽しめるバッファローの「DT-H50/PCI」(左)と「DT-H30/U2」(右)

総合して選ぶと?

 今回登場した製品は使い勝手も含めると本当にどれを選んでいいのか分からないくらい、一長一短でオススメ製品を挙げにくい。例えばインターフェイスの分かりやすさでは、断然「MonsterTV HDUS」だ。簡素すぎる気もするが必要にして十分で価格も安さを考えればもっともお買い得。次点ではバッファローの「PCastTV fot 地デジ」となるが、まだまだ洗練度が足りておらず、正直ちょっと分かりにくい点が多い。もっとも面倒なのはアイ・オー・データ機器の「mAgicTV Digital」だが、すでにアイ・オー・データ機器の製品を使っているユーザーならあまり苦にならないかもしれない。ただ最初に買う製品としてはアプリケーションが2つあるため切り替えなどが面倒に感じるだろう。……という具合に、全てにおいてベストと言える選択肢がないのである。
 それでもあえてベストな製品を選ぶとすれば、バッファローの「DT-H50/PCI」と「DT-30H/U2」だろうか。ソフトウェアの更新により一気に使いやすくなる可能性を秘めており、他の製品では実現していないトランスコード機能は、ガンガン予約して撮りためる人にとって魅力的だからだ。地デジを録画しないで見るだけというなら、価格で「MonsterTV HDUS」を選ぶか、あるいは地デジ機能でアイ・オー・データ機器の「GV-MVP/HS」を選ぶことになるだろう。
 また各社に言えることだが、付属のアプリケーションはまだまだ改良の余地があるため、今後のアップデートにより使い勝手のリファインをぜひともお願いしたい。さてアキバに行って筆者も購入に悩んでくるとしようか。

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