PCで地デジが観られる、録画できるようになった!
デジタル放送対応のメーカー製PCが登場してから随分時間が経ったが、今年の4月8日に社団法人デジタル放送推進協会(Dpa)がガイドラインを策定してから、各社から一斉に対応製品が発表され、自作PCあるいはメーカー製PCにアドオンで取り付け可能な地上デジタル放送対応チューナー(以下、地デジチューナー)が現実のものとなった。
アナログ放送は2011年7月24日に終了するため、泣いても騒いでもあと3年で地デジに移行する必要が出てきている。茶の間のテレビは、かなり地デジ対応が進んでいるが、その中でPCだけが取り残されていたわけで、終了まであと3年に迫ったこのタイミングでの登場は正直遅すぎる感が否めない。ちなみに現在もっとも対応が進んでいるのはワンセグを利用する携帯電話だったりする。
そもそもPCに取り付け可能な地デジチューナーがなぜ販売されなかったのか。その理由はデジタル放送のコピーガード(コンテンツの暗号化)が破られる可能性があったためだ。そう主張していたのはB-CASカードを発行管理している社団法人デジタル放送推進協会(要は既存のテレビ局)なのだが、すでに同じ電波を使用して受信可能なワンセグ放送のモバイル向けUSBチューナーが一昨年から大ヒットし、その根拠は早くから疑問視されていた。読者の皆さんも同じ帯域を使用するワンセグがOKなのにどうして?と疑問に思っていた人は大勢いるだろう。
解禁になった理由の一つはワンセグの普及による声の高まりが後押ししたという面もあるが、ハードウェアやソフトウェア面での著作権保護技術(HDCPやCOPP)が一定レベルに、つまり認知度や普及が進んだという点が大きい。
地デジ試聴に必要なもの
さてアナログ放送と地デジの大きな違いは何だろうか。まず必要となるのは地デジに対応したアンテナだが、UHFアンテナを立てている地域であれば、方向を変える、あるいはそのままでOKな場合もある。幸いにして筆者の住む地域ではアンテナも向きもそのままで地デジを問題なく試聴できている。
よってアンテナ線も基本的にそのまま流用可能だが、平行線(フィーダ線)を使っている場合はノイズや減衰の関係で同軸ケーブルに交換する必要がある。もっともPC向けのテレビ放送用チューナーカードは大抵は同軸入力となっているので、すでにアナログ放送用のテレビチューナーカードを使っている人なら、問題なく接続できるはずだ。
VHFアンテナで受信している地域(主に関東圏)では、アンテナの交換が必要となる。このあたりは街の電器店に聞くことでアドバイスが得られる可能性が高い。家電量販店でも相談に乗ってくれる所は多いが、地元に密着した街の電器店の方がアンテナの方向や設置など融通の利く対応をしてくれるところが多いだろう。
総務省:地上デジタルテレビ放送のご案内
http://www.soumu.go.jp/joho_tsusin/whatsnew/digital-broad/
続いて必要となるのはB-CAS(ビー・キャス)カードだ。テレホンカードサイズのこのカードは地デジやBS・CSデジタル放送を受信するために必要な暗号キーを保存するカードだ。このカードはチューナー製品に1枚添付されており、PC用の地デジチューナー製品にも添付されているため、別途用意する必要は無い。このカードを差していないと基本的に地デジは受信できないと思っていい。そのくらい重要なカードなので取り扱い・保管には十分気をつけたい。
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