DOMの処理速度もスピードアップ
SunspiderはWebkit開発チームにより作られたものなので、Safariに有利な結果が出ている可能性はある。また、JavaScriptは「DOM」(Document Object Model)というAPIを使って処理を行なうことがあるが、SunspiderではDOMの処理をテストすることができない。
そこで、Benchmark - W3C DOM vs. innerHTMLshowというツールを使ってDOMの処理をテストをしてみた。このツールは元々DOMとInnerHTMLでどちらが速いかをテストするツールだが、ブラウザーごとのDOMの処理速度を見るのにも使える。
こちらでもやはり、次世代ブラウザーがスピードアップしているのが分かる。IE7がほかのブラウザーに比べてかなり遅いのも、Sunspiderと同じ結果だった。両方のテストを総合すると、SafariとFirefox3がツートップということになるだろう。
最後に、Google Docsなどのウェブアプリケーションを実際に使用してみたところ、やはりテストで良い結果を出したブラウザーは体感でもかなり速い。筆者は現在Sleipnirを常用しているが、IE7がいかにもっさりとした動作だったかを実感させられた。
IE8を待つ間にSafariでもいかが?
以上を踏まえて言うと、ブラウザーでこれだけ速度が改善されるのだから、スペックで劣る古いマシンを使っているユーザーほど、次世代ブラウザーを導入するメリットが大きいと言えるだろう。テスト結果も表しているとおり、世代間の差は歴然としている。
ただし、ベータ版はあくまでテスト用で動作が不安定なこともあり、日常の使用に向いているとは言えない。今すぐ使えて安定しているという点から言えば、Safariが現時点では最も有効な選択肢になるだろう。Opera 9.5もFirefox3も遠からず正式版がリリースされるので、これらのブラウザーを使っているユーザーは待ってみるのも手だ。
だがIE8の場合、次期Windowsと同時リリース予定のため、2009年末~2010年まで待たなければならない。JavaScriptを活用したサイトは今後も更に増えていくことが予想されるだけに、IEユーザーには厳しい状況だろう。IE7でJavaScript処理系を改善するという計画は聞かないので、ウェブアプリケーションを頻繁に利用するIEユーザーは、ほかのブラウザーへの乗り換えや併用を検討してみるのが良いかもしれない。
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