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日本の宇宙開発最前線 第2回

宇宙でのミッションを報告

お帰り土井さん! 宇宙に日本人の家ができたヨ

2008年05月15日 13時00分更新

文● 末岡大祐/アスキーネタ帳編集部

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 ミッション報告は文字通り淡々と作業の報告をするだけだったのですが、質疑応答タイムでは大人から子供まで様々な質問がクルーたちに投げかけられました。やはり質問は土井さんに集中しましたが、土井さんが答えられないことは他のクルーたちが回答し、みんな目を輝かせて聞いていたのが印象的です。おもな質疑応答は以下のとおり。

──今回のミッションで一番楽しかった作業、大変だった作業は何ですか?

土井さん(以下、敬称略) 楽しかったことは日本初となる実験棟を組み立て、その中に入れたことですね。新築の家に入ったような感じです。難しかった作業は、スペースシャトルの中からこのモジュール(きぼう)をロボットアームを操作して組み立てることでしょうか。スペースシャトルとモジュールがかなり近かったので、少しでも操作ミスをしてしまうと、どちらも壊してしまうかもしれない。かなり緊張しましたが、ゴーリ船長の的確な指示のおかげでなんとかやり遂げられました。

──宇宙に行って地球を見たときに、人生観などに変化はありましたか?

土井 10年前に初めて宇宙に行ったときには、地球の美しさに感動し、帰国後は地球のいろんなことを調べました。そして、今回行って一番感動したのはISSです。ゆっくりと近づいていくと、その巨大さに驚きました。これはきっと、人類が作り出した歴史上の建造物の中でも1、2を争うくらい素晴らしいものです。やろうという意志があればなんでもできるんだという人間の意志の強さを感じました。最近は環境問題をはじめ、暗い事件ばかりで、なんとなく人間が弱気になってると思うんですが、ISSを作る力を人類は持っているんだし、この力をもってすればできないことはないんじゃないでしょうか。

──これからの宇宙の発展性を教えてください

土井 ISSはふたつの目的を持っています。ひとつは人間をはじめ、生物が宇宙に行ったときにどのような影響があるのか、我々が宇宙で住むことができるのかといった、ライフサイエンスを調査することです。また、我々はISSにずっと居るわけではなく、月とか火星とかもっと宇宙に出て行かないといけない。そういうことが可能かどうかを調べるのです。そしてもうひとつは、宇宙という特殊環境を使って人類の役に立つことができるのかできないのか、そういうことを調べます。半導体とか合金とか、タンパク質の結晶とかを作ったりもします。ゴーリ船長も言っていましたが、複数の国が協力し合っているプロジェクトなので、このことが世界中の人に知れ渡って世界平和に繋がればとも思っています。


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