“仕事を好きになること”と、“生き残り”の関係
さて、前述のとおり「生き残れるエンジニア」の必要充分条件は「他者とは異なり、しかし他者を理解し他者に理解される」ことですが、それではそもそも彼らはどのようにその境地に至ったのでしょう。言い換えれば、どうやって彼らは自分の仕事を好きになって今に至ることができたのでしょうか。
それは、“仕事を続けてきたから”だと言えます。もう少し厳密に言うと、仕事を完了し続けてきたからです。自分の仕事が好きな人は、一人の例外もなくその仕事で辛苦を味わっています。甘くておいしい仕事というものがないわけではありませんが、そういう仕事は飽きるのも早いでしょう。なぜなら達成感という、仕事の完了を通して得ることができる最高の醍醐味が得られないからです。
今、私は「仕事の完了」と言いました。「仕事」ではありません。単に辛くて苦しい仕事では駄目な理由がここにあります。仕事の辛さと苦しさは、確かに達成したときの達成感を増幅しますが、それを得られるのは、あくまで達成してからなのです。
「生き残れるエンジニア」が生き残ってきた理由には、その過程において、仕事ごとの辛苦と達成感のバランスがあると思います。難しすぎる仕事では壊れる。やさしすぎる仕事は飽きる。キャリアのステージに応じた難易度の仕事を、その都度達成してきたからこそ、彼らの仕事は持続し、そして生き残ってきたのです。
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