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2008年07月18日更新

インダストリアルデザイナーという仕事

カシオG'zOneのデザインが変わったワケ

文●大城祐

 カシオ計算機(株)は2000年から、防水性が高く、衝撃にも強い携帯電話「G'zOne」シリーズを作ってきた。G-SHOCKの技術が応用されたタフさとデザインで、アウトドア志向の人などを中心に人気が高い。今年8月、2年ぶりにこのタフネスケータイの新モデルである「W62CA」が登場することになった。話題となっているのは、そのデザイン。初代から受け継がれてきたコンパスを思わせるアナログ的な丸い表示部はなくなり、厚さ20mm以下まで薄型化された。人気シリーズの従来の流れを覆すデザインを担当した、カシオ計算機の杉岡忍さんにインダストリアルデザインのお仕事やキャリアについて聞いた。

杉岡忍さん 杉岡忍さん
インダストリアルデザイナー。カシオ計算機(株)開発本部デザインセンター第四デザイン室
G'zOne W62CA 7月以降発売予定のG’zOne W62CA。スパークリンググリーン(左)、フローズンホワイト(右)

なぜなくした? 伝統の丸型のディスプレイ

 杉岡さんは、2004年から携帯電話のデザインの仕事に携わっている。2005年発売のW42CAや2007年発売のW52CAのデザインも手がけた。今回、発売されるW62CAの開発で、杉岡さんは外観のデザインを担当。新モデル発売に向けて本格的に動き出したのは、発売の一年前だという。どのようにデザインを決めていったのだろうか。

「事前に新しいG'zOneの規格や設計条件、仕様などのほかに、『薄型化を実現する』という課題が言い渡されていました。シリーズものの場合は、根底に流れるコンセプトを崩さないという条件も必須です。それらを踏まえて、最初はラフなデザイン画を描いていきました。スケッチブックに思いつく限りのデザインを、何ページにもわたって何十パターンもバーッと描くのが私のやり方です。その中から取捨選択していきます。ただ、適当に描いたり、仕様に合わせただけのものを描いたりするのではなく、常に『G'zOneって、何だろう?』ということは念頭に置いていました」

 初代から受け継がれてきた丸い表示部をなぜなくしたのだろうか。

「実はW62CAのデザインは、従来型の丸型ディスプレイを搭載したものと、今回の完成形のような新しいデザインのものと、2パターンが並行して進められていました。私は新規デザインの担当でした。進行していく中で、今回の課題である薄型化を実現しようとすると、丸型の窓では耐久性という条件をクリアできないことが分かったのです。そこで、伝統を引き継がせるよりも薄型化を優先して、G'zOneを次の段階に上げることにしました

(次ページ、「最も行き詰まったこと」へ続く)

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