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2008年03月12日更新

イベントレポート! まつもと ゆきひろ、小飼 弾、平田 大治が語る「生き残れるエンジニア」とは

 パソナテックは「エンジニアの進化を支援する」ことを目的に、同社が自ら情報を発信するWebサイト「てくらぼ」を11日オープンした。同サイトでは、シリコンバレーでコンサルティングを行なうBlueshift Global Partners社の社長である渡辺 千賀氏のコラム「渡辺千賀のはたらけシリコンバレー」をはじめ、ライフハックやスキルアップのためのコンテンツなどを提供していく予定だという。

 てくらぼのオープニングを記念したイベントとして、同日秋葉原UDXギャラリーにて「エンジニア進化論」と題したイベントが開催された。ファシリテーターとして登壇したのはニューズ・ツー・ユーの取締役である平田 大治氏、パネラーにはネットワーク応用通信研究所のフェローで、プログラミング言語「Ruby」の開発者であるまつもと ゆきひろ氏、そしてディーエイエヌ代表取締役で自身のブログ「404 Blog Not Found」が人気の小飼 弾氏も参加した。ここでは、このイベントの模様をお伝えしたい。

イベント会場風景

 まずそれぞれの自己紹介があった後、パネラーが質問に対して○と×の札を上げて回答するコーナーでスタートした。質問には「いま注目しているプログラミング言語があるか」など、興味深いものが多く会場の人々は熱心に聞き入っていたのが印象的だった。

まつもと ゆきひろ氏
穏やかな口調で、分かりやすく会場に解説するプログラミング言語「Ruby」の開発者まつもと ゆきひろ氏

 このとき注目している言語としてまつもと氏が挙げたのは「Erlang」で、その理由として「これから世の中は、コンピュータに入るコアは増えていく。現状だとサーバーなら4コアや8コア程度だが、将来的にはコアの数が128といったサーバーも珍しくなくなるのではないか。こうしたとき、現状のソフトウェア側で対応する必要がある“スレッディングモデル”では限界があると考えている。しかし(並列処理指向の)Erlangが提示している“プロセスモデル”は、スレッディングモデルとは別の形で対応できる可能性がある。こうしたことを模索するために、(Rubyとは違う)隣の芝生を見に行っている」と回答した。

小飼弾氏
ブログ「404 Blog Not Found」が人気のアルファブロガー小飼 弾氏。会場では愛嬌たっぷりに受け答えしていた

 一方小飼氏はプログラミング言語ではなく、日本語に対して危機感を抱いているとコメント。「現在は日本語で高等教育を受けられ、またコンピュータサイエンスも日本語で勉強できるが、日本語が弱くなるとこれらが英語に置き換えられてしまう可能性がある。たとえば、20年後は英語を知らないとRubyを勉強できないということも起こりうる」と指摘。これを受ける形でまつもと氏も「この間マレーシアに行ったが、そこでは先生と生徒の両方がマレーシア人でも英語でコンピュータを勉強していた。世界的に見ると、英語以外でコンピュータを使うというのは珍しい状況で、特に教育に関して最後まで自国語でコンピュータサイエンスを学べるのは日本とドイツくらいしかない」と発言、日本の特異性を指摘した。

 また「エンジニアには英語が必須である」という質問に対して「○」の札を挙げたまつもと氏は、「(英語と日本語で)情報の時間差があるのは確か。英語が分かれば、コンピューターサイエンスの生の情報にアクセスできるというのは大きなメリットで、アドバンテージは大きい」と回答している。小飼氏も「英語を知っている方が儲かる(笑)」と率直な意見を述べた。エンジニアとして進化するためには、やはり英語は必須であると考えるべきだろう。

エンジニア進化論

 参加者からの質問に答えるコーナーも設けられたが、その中で興味深かったのは「エンジニアとして進化していくために必要なことは何か」というもの。これに対してまつもと氏は「他人と差別化すること」を挙げた。「一芸に秀でるなどの差別化をして、交換可能ではない人物になることが進化のためには必要じゃないか。日本は周囲と同調するように求める圧力が強いけれど、それに屈するのではなく自分は(ほかの人と)交換できる人物ではないことを選ぶべき」とコメント。小飼氏は「違うというだけではお金はもらえない。違いを誰にでも分かる形で示すことができて初めて価値が認められる」と発言し、単に人と違うというだけではなくその違いを説明し、いかに認めさせるかが重要だとの認識を示した。

 これ以外にも多くの質問にまつもと氏と小飼氏が回答し、最後は時間が足りず、じゃんけんで会場から質問者を選ぶなど、会場は大いに盛り上がって閉会した。

エンジニア進化論 平田 大治氏
終始、冗談を交えながら語る両氏(左写真)とファシリテーターを務めたニューズ・ツー・ユー取締役の平田 大治氏(右写真)

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