途中まではクリーチャーとしてのエイリアンばかりでしたが、「科学としてのエイリアン」ゾーンに入ると、様子が変わってきます。これまでの展示物と比べると派手さこそないものの、地球上に存在する、過酷な状況下でも生き残る生命体などを紹介し「地球にこんな生き物がいるのだから、他の星で生命体がいてもおかしくない」という理論で、「ひょっとしたらいるかも?」と思わせてくれます。確かに深海の生き物なんてエイリアンのようですからね。また、顕微鏡を模した展示物の中は「氷の中でも生息する生物」「酸の中でも生息する生物」などが見られるようになっていたのですが、どれが生物なのかよくわかりませんでした。
最後のエリアでは、惑星探査機ボイジャーに搭載された、エイリアンとの交信で使われるゴールデンレコードなどが展示されており、その音声を聞くことができました。各国の挨拶(日本だと“こんにちは”)や音楽、動物の鳴き声、そして音声だけでなく115枚の画像も収録されています。ボイジャーはすでに電池が切れているものの、あと数万年は宇宙をさまよってレコードを届けるようです。カップルの女の子が音声に耳を傾けて「意味わかんない」と言っていましたが、そりゃエイリアンに向けたメッセージですから無理もありません。
だいたい30分もあれば普通に各コンテンツを見て回れるほどです。じっくり見たとしても1時間もあればすべて見終わります。テーマがテーマなだけにイベントの内容が地味なぶん、常設展と併わせて見ることをオススメします。このイベント自体は6月16日まで開催しているので、“宇宙ヤバイ”とか、“深海ヤバイ”とか、グロテスクなクリーチャーが好きという人は遊びに行ってみてはいかがでしょうか。値段も900円で常設展も見られるのでかなりリーズナブルだと思います。理系カップル(そんな人たちがどれだけいるかわかりませんが)ならデートコースからは外せないでしょう。
エイリアンがいるのかいないのか、そろそろ国会の議題に挙がってもいいと思いますが、いると思っておいたほうが人生は楽しいのではないか? そんなことを思いながら日本科学未来館を後にしました。