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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第47回

走るネコを「流し撮り」――腰を回して奴を追うのだ!

2008年04月02日 00時00分更新

文● 猫写真家 荻窪圭

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 動いてる猫を撮るとき、真っ昼間で明るい時はいいけど、そうじゃないとぶれて写っちゃう。いわゆる「被写体ぶれ」。シャッタースピードが1/60秒だと、猫が1/60秒の間に動くとそのぶんぶれる。これが1/600秒だと、そんな短い間の動きなんて知れているから、全速で走ってない限りそうそうぶれない。単純にいえばそういうことなのである。

 じゃあ逆に、猫の動きに合わせてカメラを動かしながら撮るとどうなるか。うまくいけば、背景はブレるけど猫は止まって写る。これがいわゆる「流し撮り」。

歩いている猫を流し撮り

歩いている猫を「流し撮り」。1/60秒なのであまり背景が流れてないけど(2005年5月撮影 ニコン「D70S」)

 まあ自動車や電車のように、右から左に(逆でもいいけど)ほぼ等速で走ってくれるものならいいけど、猫のように気まぐれなヤツが相手だと、そううまくいくもんじゃないわな。足で移動する動物はどうしても上下運動があるし、動きが予測しずらい。

 でもね、わたしは思うのだが、別にきちんと止まらなくていいのである。多少猫がぶれてても、その方が「走ってます感」というか躍動感があっていいじゃないか、と。「猫より背景の方が大きく流れていればよし」としていいじゃないか、と。  そんなゆるい基準でお送りします。

1/10秒なので高速移動してるみたいに見える

目の前を左から右へ走る猫を流し撮り。なんとシャッタースピードは1/10秒なので高速移動しているみたいに見える(2000年5月撮影 キヤノン「IXY Digital」)

走り去る猫を流し撮り

走り去る猫を流し撮り。顔は大きくぶれちゃったけど(2005年3月撮影 三洋電機「Xacti DSC-C5」)

 もちろん、流し撮りを狙って撮ったわけじゃなくて、曇天下のちょっと暗いとこで猫を撮ろうとしたら、相手が動き出しちゃったもので慌てて流し撮りをした……という代物なのだけど、まあ、猫の流し撮りってそんなもの。流し撮りって基本的にカメラを横に動かしながら撮るものだから、被写体が上下に動いちゃうとうまく止まらない。でもそのぶん、ダイナミックな写真になる。

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