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ライブビュー搭載で、SDメモリーカードも使える

なで肩は中級機に近付いた証──EOS Kiss X2レビュー

2008年03月06日 23時00分更新

文● 周防克弥

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Kissとしては初のライブビュー搭載機


 機能的に進化した点のひとつにライブビュー機能がある。

ライブビュー

ライブビュー機能。背面の液晶ディスプレーで構図決めができる

 ライブビューは、最近のデジイチでは当たり前の機能になってきている。機種やメーカーごとで操作方法に若干の違いがあるが、Kiss X2の場合、メニューからライブビュー機能をONにした状態で、十字キーの中央ボタンを押すとライブビューが動作する。

ライブビュー

ハイアングル・ローアングルの自由度の高い位置で利用できるのがライブビューの特徴だ

 Kiss X2の特徴として、ライブビューを使用しながらでもAFが動作する点が挙げられる。他社製品に多く見られる、ミラーを往復させて位相差検出方式のAFセンサーを動作させる方式だけではなく、撮像素子を利用したコントラスト検出方式のAFが利用できるためだ。これにより、ライブビューでミラーをアップしたまま、AFを動作させ、シャッターを切ることもできる。本機より先にライブビューを搭載したEOS 40DでもコントラストAFは搭載されていなかった。

 光学ファインダーでピント合わせをする際に使う位相差検出方式のAFに比べると、かなりタイムラグはあり、暗い被写体になるとさらに合焦に時間がかかる。とはいえ、動かない被写体を撮るぶんには十分実用的だ。ハイアングル、ローアングルでの撮影はもちろんのこと、三脚に固定して花などをとる際には、ファインダーをのぞくより液晶画面上でフレーミングできたほうが有利であり、便利に活用できるシチュエーションは多いだろう。

 注意点としては、シャッターボタンの半押しではAFが動作しないことだ。ちょうど右手の親指あたりにある「AFボタン」(再生時の拡大縮小ボタンの縮小のほう)を押すことでAFが動作する。このあたりはコンパクトデジタルカメラからの乗り換え組みは少々戸惑うところかもしれない。

露出を同じにして撮影してるため、実際の明るさの変化が分かる。上下方向には強いが左右方向には弱く、かなり暗く見えるが、反転するようなことはなく、しっかりと見えてはいる。フレーミングする際には特に問題がないだろう。ただし、拡大しての細部を確認したり、ピント合わせを行なうのは難しそうだ

 なお、ライブビュー機能が目立つが、光学ファインダーもブラッシュアップされている。倍率は0.8倍から0.87倍にあがり、見た目の像の大きさが違う。一回り以上大きくなった印象だ。



標準、望遠ともISに対応し、初心者にも優しい


 ダブルズームキットに付属するレンズは、今回からともにIS機能付きのものに変わった。ただし、ピント駆動が超音波モーターではなく、ギア駆動によるものなので、動作音は大きい。また、AFで大まかなフォーカスを決めて、マニュアルで微調整を行なうといったこともできない。さらに、ピントを合わせる際にレンズの先端部分が回転して、前に繰り出されるのもちょっと気になる点ではある。

付属レンズ

ダブルズームキットには「EF-S 18-55mm F3.5-5.6 IS」と「EF-S 55-250mm F4-5.6 IS」が付属する。Kiss X2はカメラ本体に手ぶれ補正機構を持たないため、両方のレンズに光学式の手ぶれ補正機構(IS)が内蔵されている。ともにコンパクトかつ軽量なので2本持ち歩いてもそれほど苦にならない

 標準から広角域の撮影では、周囲から光が入り込まないように花形のフードを付けたいところだが、それもできない。フードをつけた場合には、フードが回転しながら前後に動いてしまうためだ。

 デジイチの最大の敵とも言えるゴミ付着に関しては、従来機同様のダスト除去機能を備えている。

バッテリー

バッテリーは変更された(左がKiss X2用)

 また記録メディアがコンパクトフラッシュからSDメモリーカードに変わり、バッテリーも変更された。CIPA規格準拠の撮影可能枚数は、ストロボ50%で500枚(常温)。同様の条件で、EOS Kiss Digital Xは360枚だったので伸びているが、 Kiss Digital Xのユーザーが買い換える際にはこれらの流用ができない点は注意したい。

 個人的な感想としては、デザイン的に上位機種に近づいたため、ミドルレンジのユーザーも取り込めるようになったのではないかと思う。EOS 40Dに匹敵する機能や性能が欲しいが、実際にはサイズが大きすぎるとか、価格的に手が出ない人もいるだろう。そういう人にもマッチした「多少硬派なKiss Digital」と言えるだろう。

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