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実は“癒し系”だった!

中国IT小話――“しょこたん”よりスゴい? 1億回読まれた人気ブログとは?

2007年07月23日 22時30分更新

文● 山谷剛史

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癒しが求められているのは、中国でも一緒?


 中国のブログユーザーは、今月CNNICより発表された最新統計によると、1億6200万人のインターネット利用者のうち、2割弱にあたる3094万人がブログを書いているそうだ。日本では多くの芸能人が自身のブログを持っている。中国では芸能人のブログというのは多数存在するものの、芸能人がブログをもって当たり前という状況までには至っていない。

 徐静蕾さんが、全世界的なブログの女王に上り詰めた理由はなにか?

徐静蕾は癒し系女優として、好きな女優ランキングの上位に入ったが、徐静蕾さんのブログもまた、子供でも大人でも読めて癒される文章となっている。

と中国人の専門家は分析している。徐静蕾さんのブログ上で垣間見れる伝統を大事にする姿勢に多くの読者が共感を持っているようだ。徐静蕾さんの文章が癒し系であるのと同時に、過激なコメントもまた少数派だ。



癒し系なので、荒れない


 伝統を大事にする姿勢が見える記事を紹介しよう。

 今年4月末に記された“私のフォント”という記事では、

 中国は漢字のふるさと。でも日本の漢字フォントの種類は800を越え、中国の2~300という数字を大幅に上回っています。中国のフォント発展のため、方正(筆者註:電子出版に強いレノボに続く中国第2のPCメーカー)の協力を得て、私の書いた字がフォントになりました。

 毎日200文字を書き、2ヵ月を費やして完成したものです。皆さん使ってみてください、ありがとう。

といった具合だ。

 ちなみにこのフォント、10元(約160円)と中国人にも納得のいくプライスで発売されたが、正規版の販売数は765本、海賊版が10万本出回ったことが後に話題となった。が、その辺はその後も徐静蕾さんの日記で語られることはなかったし、コメント欄でも海賊版について文句はなかった。その辺もまた癒し系たるゆえんか。



つっこんでは、いけません


 徐静蕾さんは、1億PV突破記念イベントで、プライベートな感情を出さないこと、広告にしないこと宣伝をしないことを原則としてブログを書いていると、人気の秘密を話す。

 1日のはじめか終わりに20分ほど日記をしたためています。もし宣伝目的の文章を毎日書いているようだったら、読者の反感を買うでしょう。ブログを金儲けの道具にしたくはないですね、あくまで生活の一部分で。

 私の映画の撮影は投資ですが、ブログは投資要素はなく、何かを回収しようと考えてはいません。興味本位でやっています。

 ブログを始めたときにはすでに結構多くの人が見てくれました。だから私のプライベートについては書かないようにしています。

とコメントしている。直前のフォントに関する文章を振り返り「それって広告じゃないの?」という内容で突っ込みたくなるかもしれないが、そこは日中の文化の違い。“広告”の定義が、漢字そのものは同じでも、日本と中国で違うととらえよう。

 “文化経済先鋒人物”と称されるようになった徐静蕾さんは、フォントに続いて電子雑誌に興味津々のようだ。

 また、キングソフトインターネットセキュリティの名で日本でも知られる“金山毒覇”ともタイアップ(外部リンク)。徐静蕾さんは、まさに中国版眞鍋かをりさんといったポジションの芸能人として、中国のWeb 2.0の最先端を渡り歩くIT系女優として頑張っていくようだ。

山谷剛史(やまやたけし)

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。

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