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中華PC小話──キラーソフト『QQ』、その裏の活用法とは?

2007年03月27日 00時00分更新

文● 山谷剛史

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インターネット人口を凌ぐ、QQのアカウント数


 中国ではチャットが大人気だ。日本でのブログやSNSくらい中国のネット利用者は猫も杓子もチャットを利用する。

QQの画面
中国で人気のチャットソフト『QQ』。開発社のウェブサイトのサンプルから

 代表的なチャットソフトは『QQ』というソフトで、2億3260万のアカウントがある(QQをリリースする騰訊公司:テンセントが21日に発表した決算書より)。

 およそ1億4000万人の中国人がインターネットを利用するという統計が出ているが、QQのアカウント総数はそれを遥かに凌駕するというのだから恐れ入る。

 中国の若者にウケるデザインであることから、ポップなインターフェースとなっているQQだが、それでもその圧倒的人気を背景にビジネスシーンでも利用されていて、中国人の名刺にはQQのIDが住所や電話番号やE-mailアドレスと並んで書かれていることがよくある。また誰もがQQのIDを持っているといっても過言でない現状から、サポートでQQを利用するメーカーやベンダーもあり、サポートページには、担当部署の電話番号ならぬQQのIDが書かれている場合もあるほどだ。



普及すれば、裏の使い方も……


 QQはチャットソフトだが、そのアカウントを利用して、ユーザーはオンラインゲームや、アバターなど各種サービスを楽しむことができる。イメージとしては、Yahoo!が“Yahoo! ID”をさまざまなサービスで利用できるようにしているのに近い。有料のサービスもあり、それを利用するには町中で売っているプリペイドカードでQQ専用のバーチャルマネーをチャージするのがまっとうな方法だ。

 それだけたくさんの人が利用するのだから、QQを利用した犯罪も過去に多く発生している。

  • QQのIDを盗んで持ち主に再販売する
  • QQ専用のバーチャルマネーを盗んだあげく、オンラインショッピングサイト上でRMT(Real Money Trade)をする
  • QQのセキュリティホールをついたウイルスをばらまく

とか、そういったものだ。中国のネット関連のニュースを長く見ていると「ああ、またか」というほどよくQQがらみのニュースが登場する。最近日本でも話題になった“お祈りパンダ”ウイルスこと“熊猫焼香”ウイルスも、QQのセキュリティホールをついたウイルスである。

 こんな感じでトラブルの話題にことかかないQQだが、WindowsVista発売後は、QQをWindows Vista上で動かそうとするとエラーが返ってくるため、QQの動作を拒むMicrosoftはとんでもないなどという、QQを擁護するとんでもない論調が飛び交うほど、利用者からの信頼が厚い面もある。



手頃な価格で買えるウェブカムも人気


 中国人のネットユーザーにとって、インターネットの利用、換言すればQQの利用に欠かせないのがウェブカメラだ。ネットカフェのパソコンには必ずといっていいほどウェブカメラは付いているし、都市住民の月給が2万円もない中国だけれど、ウェブカメラは比較的購入しやすい価格であるため、電脳街の店舗では実によく見かける。

中国のウェブカメラ
中国で販売されているウェブカメラ。キャラクターものも多いが、正規の手順で商品化されたものかどうかは不明

 店で売られているウェブカムのデザインは多種多様だ。とはいえ実際には、外見が違うだけで、基本性能はどれも30万画素クラスでデジタルソフト処理もないシンプルなつくりである。「これ許可とっているの?」と言いたくなるようなどこかで見たようなキャラクターがモチーフとなった外見のものもズラリと店頭に並んでいる。

 これだけウェブカムが流行っているということは、中国人は顔写真入りでのチャットに抵抗はないのだろうか?

 試しに、ウェブカムに相当する中国語をキーワードに、ウェブカムを使った事件やニュースを調べてみると、個人情報漏洩に関する記事はまったくといっていいほど見つからず、代わりに沢山見つかったのは、ここ1年で急速に普及しているネットカフェや市街地における監視カメラ設置についてのニュースであった。中国のウェブページで検索してもこの傾向は変わらず、監視カメラについて大反対するネチズンの掲示板内のコメントやらブログやらがズラリと並ぶ。

 知り合いの中国人が登録されている筆者自身のMSN Messengerを確認しても、半数以上がプロフィール画面に自分自身の顔写真を使っていた。積極的に顔出しする中国のネットユーザー、どうやら個人情報漏洩の心配は日本人ほどはしていないようだ。

山谷剛史(やまやたけし)

フリーランスライター。中国などアジア地域を中心とした海外IT事情に強い。統計に頼らず現地人の目線で取材する手法で,一般ユーザーにもわかりやすいルポが好評。

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