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最新パーツ性能チェック 第48回

【最新パーツ性能チェックVol.48】

FSBを制するものがCPUを制す? FSB 1333MHz版クアッドコアCPU「Core 2 Extreme QX6850」登場

2007年07月17日 23時59分更新

文● 月刊アスキー編集部 野口岳郎

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来るべきクアッドコアバトルへの布石

 どんなに優秀な工場であっても、原材料を少ししか搬入できなければ大量生産は不可能なのと同様、CPUにおいても、処理すべきデータを十分に与えられなければ、いかにCPU自体が高速であってもその能力は生きてこない。工場の生産能力に相当するCPUそのものの演算能力、データ処理能力はきわめて高い。“Core 2”であればSSEユニットだけで、1クロックで128ビットの演算を行なえるから、それだけでコアあたり48GB/秒の処理能力だ。
 一方、工場への搬入体制に当たるメモリ性能もそこそこ整っている。DDR2-800で12.8GB/秒、いよいよ入手可能になったDDR3-1066なら17GB/秒に達する。そこへいくと、搬入窓口であるFSBはやや心許ない。すでに述べたように、1066MHzでは能力としては8.5GB/秒しかない。コアが2つから4つ(工場の機械が2つから4つ)に増え、これらが常時稼働するようになれば、今後求められる材料の搬入量、製品の搬出量は確実に増えるだろう。どこかにボトルネックが発生するとしたら、それがFSBである可能性は十分にありうる。だからこそインテルは“Penryn”でFSBを1333MHzにあげ、現行コアの「QX6850」でも一足先に1333MHz化してきたのだろう。

 一方ライバルのAMDは、すでにCPUに12.8GBのメモリインターフェイスと4GB/秒のI/Oインターフェイスを持たせている。いわば、計16.8GB/秒のFSBを持っていると言える。
 にもかかわらず、デュアルコア時代には、FSB 8.5GB/秒の“Core 2”のほうが高性能を誇ってきた。つまり、これまでのところはFSBはほとんどボトルネックにはなっていなかったと思われる。クアッドコア時代は、コアそのものの力に加え、FSB能力も加えた総力戦が展開されることになるのだろうか。それとも、今後もコアの設計のほうがはるかに重要なのだろうか。

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