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アスキー格安SIM通信速度比較第98回

速くておすすめの格安SIMも紹介します。

格安SIMを月額料金で選ぶのは間違い 「通信速度」に大きな違いがある

2018年05月26日 21時00分更新

文● ちゅーやん

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 格安SIMを選ぶとき、最初に目に留まるのは「料金」だと思います。auやドコモ、ソフトバンクを契約している人は、月額料金が7000円前後という人が多いのではないでしょうか。一方、格安SIMはその名のとおり「格安」なので、月額料金を大幅に下げることが可能です。格安SIMに乗り換えると、契約するプランにもよりますが、1000円台まで抑えることが可能です。本当に最低限のプランであれば、数百円で運用することもできます。

 料金だけで判断するのであれば、「格安SIMって最高じゃん!」と思うはず。しかし、ここで新たな問題が浮上します。それが格安SIM多すぎる問題です。

 現在、格安SIMは本当に数えきれないほどの事業者が提供しています。ASCII倶楽部では格安SIMの通信速度を計測していますが、契約しているのは12回線。12回線でさえも「結構多いな」と思うかもしれませんが、カバーできていない事業者のほうが多いのです。というか、実際に計測している私自身、いま現在どれだけの格安SIMが存在しているのか把握できていません。

 そんな大量にある格安SIMから何を基準にして選ぶべきなのでしょうか。頻繁に耳にするような有名なところ、近所などに実店舗を構えているところなどなど、選ぶ基準は人それぞれ。ですが、格安SIMを選ぶの「注意点」を知らないと、契約してから損をするハメになってしまいます。

 今回は、これから格安SIMデビューを考えている初心者向けの注意点を交えつつ、ASCII倶楽部で計測してきた12回線の格安SIMの通信速度を公開します。

格安SIMの月額料金は基本的にどこも「同程度」

 まず、基礎知識として覚えておいてほしいのは「格安SIMごとに料金の差はあまりない」ということ。キャリアでの料金と同じく、格安SIMごとに月額料金の差は大きくありません。数百円程度の差しかないのです。

 なので、「最も安い格安SIMは?」と聞かれても「正直、どこもそんなに変わらない」というのが答えです。百聞は一見に如かずと言いますように、いくつかの格安SIM事業者の料金表を見てみましょう。

OCNモバイルONE
mineo(dプラン)
nuroモバイル
楽天モバイル

 これら4つの格安SIMの料金表で、比較するのは「データ通信専用SIM 3GB」の部分(楽天モバイルのみ3.1GB)。

 OCNモバイルONEは月額1100円。mineo、nuroモバイル、楽天モバイル(3.1GB)の3つは月額900円です。ほかのデータ通信容量で比較しても差は大きくなく、10GBの場合ではOCNモバイルONEとnuroモバイルが月額2300円、mineoが月額2520円、楽天モバイルが月額2260円です。

 厳密に調べていけば最も安く使える格安SIMもわかりますが、ほぼ横ばいと言ってもいいような差しかないのです。つまり、格安SIMを選ぶとき、一番安い格安SIMにしようと比較するのは、正直に言ってあまり得策ではないと考えています。

格安SIMにおいて料金よりも大事なのは「通信速度」

 スマホを使ううえで最も気にするのは「料金」という人が多いとは思いますが、その次に気になるのは「通信速度」でしょう。メールやメッセンジャーアプリでのメッセージの送受信、ウェブサイトの検索や閲覧、アプリのダウンロード、動画の視聴など、スマホでは通信速度を必要とする場面が非常に多いです。そのため、通信速度はスマホにおける生命線です。

 これだけ大事な通信速度ですが、格安SIMに乗り換えてから後悔したしやすい要素であるのも事実。キャリアと比べると当然ですが、格安SIMのほうが仕組み上、通信速度は遅くなりやすいです。遅くなるとまともに通信できなくなり、スマホを使いたいときに思いどおりにならないことが多々。しかも、通信速度は「実際に使ってみないとわからない」要素です。

実際に使ってみると予想以上に遅いことも・・・

 ASCII倶楽部では1月19日から人気格安SIM12回線を契約し、平日12時、15時、18時の3つの時間帯で下り(ダウンロード)と上り(アップロード)の通信速度を独自に計測しています。計測している理由は単純で、実際に格安SIMの通信速度を計測することで比較ができるから。さらに、計測してみないとわからない通信速度という要素を明確にするため。

 ASCII倶楽部で計測している格安SIMと、計測レギュレーションは以下です。

ASCII倶楽部で測定している格安SIM

・IIJmio(ドコモ回線)
・BIGLOBEモバイル(ドコモ回線)
・OCNモバイルONE(ドコモ回線)
・LINEモバイル(ドコモ回線)
・mineo(ドコモ回線)
・mineo(au回線)
・DMMモバイル(ドコモ回線)
・nuroモバイル(ドコモ回線)
・UQ mobile(au回線)
・Y! mobile(ソフトバンク回線)
・b-mobile(ドコモ回線)
・楽天モバイル(ドコモ回線)

ASCII倶楽部 格安SIM通信速度測定レギュレーション

調査場所:東京都新宿区 神楽坂
調査時間:12時、15時、18時
調査方法
1、速度測定には「Google スピードテスト」を使う
(グーグル検索で「スピードテスト」と検索すると利用可能)
2、各調査時間でSIMごとにそれぞれ5回ずつ計測し、中央値を算出する
使用端末:ASUS「ZenFone Live」

 計測を開始した1月から4月末までは東京都千代田区にある飯田橋駅付近で計測していました。現在は計測場所を新宿区 神楽坂駅付近に移しています。理由は後述しますが、場所を移動して計測することにも意味はあります。

 先に結論を書いてしまえば、格安SIMごとの「通信速度」の差は明確です。多少古いデータですが、東京都千代田区にある飯田橋駅付近で4月1ヵ月間計測した通信速度の平均値を公開します。

  12時(下り/上り) 15時(下り/上り) 18時(下り/上り)
IIJmio 0.47Mbps/6.58Mbps 13.8Mbps/8.16Mbps 0.81Mbps/6.45Mbps
BIGLOBEモバイル 0.34Mbps/9.43Mbps 9.25Mbps/11.5Mbps 0.83Mbps/8.82Mbps
OCNモバイルONE 0.36Mbps/13.4Mbps 27.8Mbps/12.6Mbps 0.93Mbps/11.9Mbps
LINEモバイル 0.30Mbps/14.2Mbps 8.03Mbps/13.0Mbps 0.53Mbps/13.3Mbps
mineo(ドコモ) 0.34Mbps/9.19Mbps 23.6Mbps/12.0Mbps 0.77Mbps/8.62Mbps
mineo(au) 0.30Mbps/5.40Mbps 8.96Mbps/5.97Mbps 0.75Mbps/5.87Mbps
DMMモバイル 0.46Mbps/6.19Mbps 13.6Mbps/7.96Mbps 0.73Mbps/5.40Mbps
nuroモバイル 0.40Mbps/10.3Mbps 27.4Mbps/12.5Mbps 1.41Mbps/9.57Mbps
UQ mobile 7.30Mbps/7.26Mbps 10.2Mbps/6.77Mbps 10.4Mbps/6.12Mbps
Y!mobile 12.9Mbps/8.63Mbps 12.8Mbps/10.8Mbps 15.0Mbps/11.9Mbps
b-mobile 1.36Mbps/11.7Mbps 3.58Mbps/12.5Mbps 1.57Mbps/11.9Mbps
楽天モバイル 0.55Mbps/14.1Mbps 7.24Mbps/13.6Mbps 1.20Mbps/13.9Mbps

 上記のデータは以前も公開しているため見たことがある方もいらっしゃるかもしれません。改めてチェックするべきポイントをいくつか解説します。

 そもそも、12時、15時、18時それぞれで計測している理由があります。12時は多くの企業や学校などで昼休み時。そのため、スマホを使う人が増加しやすい時間帯です。スマホを使う人が増えれば、それだけ通信回線も混雑しやすくなります。その結果、通信速度が遅くなりやすいです。18時も同じような理由で、こちらは帰宅時間という設定。12時台と同じく、18時も比較的混みやすい時間帯です。一方、15時台は仕事や授業中などのケースが多く、スマホを使う人が減りやすいです。それゆえ、通信回線が空きやすく、混雑が緩和されていて通信速度も向上しやすいです。

 上記のデータで見るべきは「下り」の項目。ウェブサイトの閲覧や動画の視聴、アプリのインストールに関わる通信速度です。一目瞭然ですが、12時台の下りの通信速度は、一部の格安SIMを除くと1Mbpsにさえ達していません。その反面、15時台においては、多くの格安SIMが2桁の数値を記録しています。それこそ、「OCNモバイルONE」「mineo(ドコモ)」「nuroモバイル」の3回線に限っては30Mbps弱というとても快適な通信速度です。

 このデータだけだと、12時と18時台は遅くとも15時台に限っては速い「OCNモバイルONE」「mineo(ドコモ)」「nuroモバイル」の3回線が良さそう、と思うはず。実際、私もそう感じています。ただし、これはあくまでも「東京都千代田区にある飯田橋駅付近」で計測した場合のお話。

 格安SIMは当然ながら、通信する場所や端末などの環境に左右されて速かったり遅かったりします。ですので、上記のデータが全国で通用するかと言うと、それも間違いです。

 5月からは計測場所を新宿区 神楽坂駅付近に変更したと先述しました。計測場所を変えることによってどれだけ通信速度が変化するのか調べるために、今月から場所を移動したのです。なお、飯田橋駅から神楽坂駅の距離は1.5km弱。徒歩でも15分程度で移動できる距離です。

Googleマップでの飯田橋駅から神楽坂駅までの距離と徒歩移動での時間。歩いても15分弱

MVNOの通信速度はかなり不満を抱えてしまう結果に

 飯田橋で計測していたデータでは、「OCNモバイルONE」「mineo(ドコモ)」「nuroモバイル」の3回線が15時台のみという限定ですが、かなり速度の速い格安SIMでした。

 それでは、場所を1.5kmほど移動した神楽坂駅付近でも同様なのでしょうか。今週計測したデータの平均値を公開します。

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