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アスキー格安SIM通信速度比較 第76回

あなたはサブブランド向き? MVNOで十分?

格安SIMはUQ mobileかY!mobileを選ぶのが本当に正解なのか 通信速度をMVNOと比較する

2018年04月21日 22時00分更新

文● ちゅーやん

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 格安SIMはご存知のとおり種類が非常に多いです。ゆえに、「どれを選んでいいのかわからない」という人が続出します。先に言っておくと「月額料金が安いところにしたい」というのは(ある意味)間違いです。理由は単純で、月額料金はどこも同程度だからです。

 たとえば、毎月使えるデータ容量が3GBで音声通話が可能なプランの場合、どこの格安SIMも月額料金は1600円前後です。数十円単位で差はあるものの、大きく金額が変わるということはありません。もちろん、各種キャンペーンによって「実質」の料金が下がることもありますが、基本的な料金プランはどこも同じです。

 しかし、なかには料金プランがほかの格安SIMと異なるものもあります。それが「UQ mobile」と「Y!mobile」。これら2つの格安SIMは、多くの人が選択肢にいれるほど知名度が高いです。いまこの記事を読んでいる人のなかに「格安SIMにするなら『UQ mobile』か『Y!mobile』にしようかな」と考えている方もいるかもしれません。なぜ、これらの格安SIMは選択肢に入りやすいのでしょうか。

 今回のテーマは、「UQ mobile」と「Y!mobile」に焦点をあて、通信速度を中心にほかのMVNOと比較していきます。そして「これらの格安SIMは選んで正解なのか」ということまで触れていきます。

 ところでASCII倶楽部では、平日毎日12回線の格安SIMの通信速度を3つの時間帯で計測しています。時間ごとによって同じ格安SIMでも通信速度が変化します。そのため、1日に3つの時間帯で通信速度を計測しているのです。

 そもそもASCII倶楽部で通信速度を計測している理由は、「格安SIMにしたら、月額料金は安くなったけど、通信速度は遅くなった」と不満を漏らす声が多かったため。先述のように、格安SIMはどこも料金は同じくらいです。にもかかわらず、通信速度は格安SIMごとに大きく差があります。これを明確にし、日々計測することで、「通信速度を軸としたおすすめ格安SIM」などをASCII倶楽部でお届けできるようにしています。

12回線の格安SIMを計測するため、同じスマホを12台用意しています

ASCII倶楽部で測定している格安SIM

・IIJmio(ドコモ回線)
・BIGLOBEモバイル(ドコモ回線)
・OCNモバイルONE(ドコモ回線)
・LINEモバイル(ドコモ回線)
・mineo(ドコモ回線)
・mineo(au回線)
・DMMモバイル(ドコモ回線)
・nuroモバイル(ドコモ回線)
・UQ mobile(au回線)
・Y! mobile(ソフトバンク回線)
・b-mobile(ドコモ回線)
・楽天モバイル(ドコモ回線)

4月16日(月)~4月20日(金)までの格安SIM速度計測の記事

4月16日(月)格安SIM速度調査結果
4月17日(火)格安SIM速度調査結果
4月18日(水)格安SIM速度調査結果
4月19日(木)格安SIM速度調査結果
4月20日(金)格安SIM速度調査結果

ASCII倶楽部 格安SIM通信速度測定レギュレーション

調査場所:東京都千代田区飯田橋(アスキー編集部)
調査時間:12時、15時、18時
調査方法
1、速度測定には「Google スピードテスト」を使う
(グーグル検索で「スピードテスト」と検索すると利用可能)
2、各調査時間でSIMごとにそれぞれ5回ずつ計測し、中央値を算出する
使用端末:ASUS「ZenFone Live」

※掲載している通信速度はASCII倶楽部が独自に計測した内容です。通信速度を計測する場所、機材、時間帯によって通信速度は変動するため、実際の通信速度を保証する内容ではございません。

UQ mobileはauの、Y!mobileはソフトバンクのサブブランド

 格安SIMに興味がない人でも「UQ mobileとY!mobileは知ってる」という方がいるかもしれません。テレビCMはもちろん、実店舗も多くあるため、認知度としてはバツグンです。

 格安SIMは最近では実店舗を構える事業者も増えつつありますが、基本的には「ネットで契約する」という形式です。個人情報や料金の支払方法などをネッドで申し込み、自宅にSIMカードが届くのを待つ。そして自分でSIMカードを開通させる、というのがほとんど。店舗を構えず、人件費なども節約できるので、auやドコモ、ソフトバンクに比べて安くスマホを使える理由でもあります。トレードオフというのでしょうか、安いことには理由があるのです。

BIGLOBEモバイル公式サイトにある「BIGLOBEモバイルのはじめ方」

 一方、UQ mobileとY!mobileには記載のとおり、実店舗がさまざまな場所にあります。そのため、ネットでの契約に不安がある人にとっても選ばれやすいのかもしれません。なぜ、実店舗を展開できるのか。いくつか理由はありますが、最も大きいのはUQ mobileは「au」の、Y!mobileは「ソフトバンク」のサブブランドだから。サブキャリア、準キャリアなどと呼ばれることもあります。なお、UQ mobileについてはサブブランドではないという見解もありますが、本稿では一括してサブブランドとして扱います。

 サブブランドというと多少わかりづらいかもしれませんが、簡単に言えばauもしくはソフトバンクの「格安SIM事業」ということです。自社内の事業であるため、UQ mobileならauショップに併設、Y!mobileならソフトバンクショップに併設、このような形を取れるため実店舗の数も多いのです。全国無数にあるauショップやソフトバンクショップに併設されているのであれば、格安SIMにもかかわらず実店舗をもてるわけです。それが結果的に認知度向上にもつながっています。

Y!mobileの公式サイトにある店舗検索より。新宿を中心として見るだけでも都内には大量にあることがわかる

通信速度だけならサブブランドにMVNOは勝てない

 さて。本稿で主に触れていくのは「通信速度」について。結論から言うと、「UQ mobile」と「Y!mobile」に対して、ほかの格安SIMは通信速度で劣っている点が非常に多いのが現実です。

 それでは早速、ASCII倶楽部で計測した通信速度のデータをご覧ください。以下のデータは、4月16日(月)から4月20日(金)までに計測した5日間の通信速度の平均値です。各日各時間帯において、それぞれ5回ずつ「下り(ダウンロード)」と「上り(アップロード)」を計測し、その中央値を算出しています。今回掲載する表にあるデータは算出した5日間分の中央値を平均したものです。

 注目すべきは「下りの速度」です。下りとは、ダウンロードを意味していて、メールを受信したり、動画を再生したりするときに必要な速度です。下りの速度が速ければ快適、遅ければ満足に閲覧できないことも。ネットの閲覧もテキストばかりであれば下りの速度が遅くても問題ないですが、画像や動画があるサイトだともたつくこともあります。

 目安としては、テキストのみのメールやメッセンジャーの利用であれば速度はほとんど必要ありません。ネットの閲覧は1~2Mbpsあれば十分でしょう。一方で動画になると話は変わります。低画質であれば3Mbps、高画質であれば最低でも5Mbpsは欲しいところ。もちろん、人によって感じ方は異なります。私の感覚でいえば、動画を見るなら10Mbpsはないと満足できません。

スマホを使ううえで、通信速度は生命線です

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