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アスキースマホ総研・白書第1回

次期Androidの特徴を理解すると、業界の方向性が見えてくる

次期スマホOS「Android 7.0 Nougat」はモバイル業界をどう変えるのか?

2016年08月10日 12時00分更新

文● アスキースマホ総研、佐野正弘

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俺たち私たちが「アスキースマホ総研」!

 モバイル業界のさまざまな発表会やイベントを取材し、四六時中スマホのことを研究し続けるチームがアスキーにいた! そう、彼らの名前は「アスキースマホ総研」。今回は、すでに最終プレビュー版が公開され、正式版の配信が期待されている「Android 7.0 Nougat」について解説します。

 米グーグルが開発し、いまやスマホやタブレットはもちろん、スマートウォッチ、テレビ、そして車載端末にも搭載され始めたOS「Android」。14回目のアップデートとなる「Android 7.0 Nougat」は、画面分割機能やクイック設定パネルの更新、データセーバー機能の搭載など、大きな変更はないものの細かな改良が詰め込まれています。

 そもそも、なぜ今回のAndroidのコードネームは「Nougat(ヌガー)」なのか。7.0に至るまではどのようなアップデートだったのか。そして、7.0以降ではどのような未来が待っているのか。Android 7.0 Nougatのすべてを紹介します。

目次

  • 「Android 7.0 Nougat」とは? これまでのAndroidの歴史
     Androidのネーミングルールや過去のアップデート内容をおさらい

  • 開発者向け「Preview 5」で見るAndroid 7.0【前編】
     新機能「マルチウィンドウ」と改良された「通知」「クイック設定パネル」を解説

  • 開発者向け「Preview 5」で見るAndroid 7.0【後編】
     格安SIMにぴったりな「データセーバー」や隠し機能「イースターエッグ」などを紹介

  • グーグルはAndroid 7.0 NougatでVRやゲーム分野を強化する
     7.0から実装されるVRプラットフォーム「Daydream」などへの期待

  • 新生・ASCIIスマホ総研が斬る「Android 7.0 Nougat」
     アップデートはどの端末に来そうなのか?アスキースマホ総研のメンバーが分析!

  • 「Android 7.0 Nougat」とは?
    これまでのAndroidの歴史

     今年5月のGoogle I/Oで発表された「Android N」ことAndroid 7.0 Nougat。これは2008年にAndroid 1.0が提供されてからおよそ7年目、アルファベット名にちなんだお菓子の名前が付いたコードネームとして見ると(名前が付かなかった最初の2つを含め)14回目のアップデートとなる。その間、Androidは多くの進化を遂げてきたが、その進化は同時にスマートフォンの歴史を示すものでもある。

    Androidは歴代、アルファベット順にお菓子の名前がついている

     Androidは、グーグルが2005年に買収したAndroid社のOSをベースに開発されたもので、グーグルを中心に端末メーカーや大手キャリアなどが参加して設立されたOpen Handset Allianceによって、オープンソースのOSとして2007年に発表された。この年には既にアップルが、初代iPhone(日本未発売)を発売して一躍人気となったことから、そのiPhoneの対抗馬になり得る存在として、Androidはたちまち大きな注目を集めることとなる。

     市場に最初に登場したAndroidスマートフォンは、HTCが開発した米T-Mobile向けの「HTC Dream」だが、日本初投入のAndroid端末は、同じくHTC製で、Android 1.6 Donutを搭載したNTTドコモの「HT-03A」である。

    日本初のAndroid端末「HT-03A」(2009年5月発表)

     この時期はまだ、スマートフォンとして先行していたWindows MobileやBlackBerryなどの影響を大きく受け、QWERTYキーボードやトラックボールなどタッチパネル以外のインターフェースを備えた端末が多く、Android自体もマルチタッチに対応していないなど、スマートフォンのあり方自体を模索していた時期だったといえる。

     タッチパネル操作が主体という現在のスマートフォンの利用スタイルを定着させたのは、Android 2.0〜2.1 Eclair、2.2 Froyo、2.3 Gingerbreadのころだったといえる。

     2.0ではマルチタッチに対応したほか、2.1ではライブ壁紙にも対応するなど、現在の主要機能のいくつかを搭載。さらに、Froyoでは「JITコンパイラ」の採用でアプリの高速化がなされるなど、使い勝手の向上が急速に進んだ時期でもある。

     Androidの歴史の中で、やや特殊な位置付けとなるのが3.x Honeycombである。これは大画面への対応がなされたタブレット専用のAndroidで、急速に人気を高めてきたタブレットでも使いやすいインターフェースを実現するべく、さまざまな改良が加えられたものだ。

    いまやスマホにも搭載されているシステムバーが初搭載された3.xは、おもにタブレット向けOSだった(Android.comより)

     スマートフォン向けとタブレット向けとで分離していたAndroidが、再び統合されたのが4.0 Ice Cream Sandwich(以下、ICS)。ICSではHoneycombのインターフェースがスマートフォンにも取り入れられ、ディスプレー上にホームボタンなどが用意されたことで、フルスクリーンでの操作が可能になるなど、現在の操作体系に近いものとなっている。

     この時期にはスマートフォンの大画面化が進み、サムスン電子のGalaxy Noteシリーズに代表される「ファブレット」と呼ばれる端末も増えてきたことから、OSの側でも大画面での操作をより強く意識するようになり、統合の動きが進んだといえそうだ。ちなみに、スマートフォン単体でスクリーンショットが撮影できるようになったのも、実はICSからである。

     4.xの系統は、その後4.1〜4.3 Jelly Bean、4.4 KitKatまで約3年間続き、機能の安定化が図られることとなる。4.1ではウィジェットのサイズ変更が可能になったほか、4.2ではマルチアカウントへの対応。そして、KitKatでは「OK,Google」と話しかけてGoogle Nowが起動できるようになるなどいくつか目立つ機能は追加されているが、インターフェースなどベースとなる部分は大きく変わっていない。変化の激しいAndroidの歴史の中では、比較的長く続いたバージョンといえるだろう。

    KitKatはキチンとネスレの許可を得て実現したコードネーム。Nexus 5を取り扱ったイー・モバイル(現ワイモバイル)は、プレゼントなどにも利用した

     そして2014年には、久々のメジャーバージョンアップとなる5.0 Lollipopが登場。現在主流のインターフェースとなる「マテリアルデザイン」の採用や、通知機能の強化、OSの64ビット対応など大幅なアップデートがなされている。さらに、翌年に登場した、現在主流の6.0 Marshmallowでは、指紋認証やUSB Type-Cのサポートに加え、ユーザーの行動を先読みして必要な情報を提供する「Now on Tap」を搭載するなど、最近のトレンドとなる機能がいくつか追加されている。

     このように、Androidはスマートフォンやタブレットを利用するユーザーのニーズに合わせ、急速に、かつ大きな進化を遂げていることが分かる。果たしてこれから登場する7.0 Nougatは、これまでのAndroidの歴史を受け、どのような進化を遂げているのだろうか。

    グーグルが公開したAndroid 7.0 Nougatのフィギュア写真

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