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成功するために必要なパートナー選びとユーザー側の体制を語り合う

こんなに増えたkintoneパートナーをどう選ぶ? オオタニ&稲澤が導いた方程式

2024年02月27日 09時00分更新

文● 大谷イビサ 編集●ASCII 写真提供●サイボウズ

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 100を超えるパートナーが出展した「サイボウズデイズ2023」の大きなテーマは、パートナー選び。そんなパートナー選びに関してセッションを行なったのがASCII記者の大谷イビサとkintoneパートナーBe Magical Solutionsの稲澤 康博氏だ。メディアとパートナー目線の両者が行き着いたパートナー選びの方程式とはなんだったのか?

アプリが作れるkintone そもそもパートナーは必要なのか?

 「kintone 構築パートナー選びの<最新方程式>」と題されたセッションに登壇したのは、ASCII.jpでkintone関連の記事を書き続けるASCII大谷イビサと、兵庫県高砂市を拠点にするkintoneパートナー 代表取締役の稲澤 康博氏。前半はkintoneパートナーの現状とパートナー選びのポイントについてオオタニが持論を披露する。

ASCII編集部 大谷イビサ

 そもそもノーコードでアプリを作れるのに、パートナーの手助けは必要なのか? これに対してオオタニは、「紙と折り方だけ渡されて、折り紙を作れますか?」とコメント。いくら操作が簡単でも、構築や運用が簡単という分けではないので、やはりプロの手助けが必要な場合があると持論を披露した。

 続いて3年前に講演した際の資料を元に、kintoneのパートナーエコシステムが他社のそれと大きく異なっている点を説明した(関連記事:記者とライターがkintoneを選ぶ理由を改めて分析してみた)。Microsoft、Salesforce、Googleなどの外資系クラウドの場合、機能や性能の強化が著しいため、パートナーの介在する余地が年々小さくなり、サードパーティのビジネスまで浸食してくる点を指摘。これを「オレのものはオレのもの、お前のものはオレのものという、いわゆるジャイアンモデル」と呼んでいる。

 一方、kintoneの場合、サイボウズはあくまでコアの基本機能のみ提供している。kintone単体で実現できることは決して多いわけではなく、パートナーとの組み合わせで、初めて実現できることも多い。ただ、本体で足りない部分を補う必要があるため、パートナーが介在する余地が存在している。しかも、本来は商売敵であるパートナー同士で連携しているというのも、kintoneエコシステムのユニークなところ。サイボウズもパートナーもそれぞれに連携が必要というこのモデルを、オオタニは「オラに力を貸してくれモデル」と呼ぶ。

「オラに力を貸してくれモデル」をアピールするオオタニ

 ここまでは前回登壇した3年前の状態だったが、現在のkintoneエコシステムは一言で「カオス」だ。「基調公演で発表されたパートナー数が480くらいで、そのうち1/4出展するだけで、幕張メッセがこれだけ埋まってしまう。まさにカオス」とコメント。稲澤氏も「パートナーさんがすごく増えてきて、各社さんがなにをやっているか見えにくくなっているなと思いました」とコメントする。

 今までこうしたkintoneパートナーは、構築や保守がメインだったが、最近では運用や教育、定着などを支援するパートナーが増えてきている。これらはクラウドとしてのLTV(LifeTime Value)を高めたり、内製化を推進するためにも必要な支援だ。「自分たちの企業がどの立ち位置にいるのかを理解することが重要」とオオタニは指摘する。

 また、パートナーのバリエーションも拡がった。首都圏だけではなく、地元密着型のパートナーも現われ、中小企業のみならず、大企業をサポートできるパートナーも増えた。プラグインのようなプロダクトを提供しているパートナー、コンサルに強いパートナー、業種業界に特化したパートナーも登場している。得意分野がなければ、なかなか選んでもらえないくらい種類が増えたというわけだ。

パートナーのバリエーションもさまざま

kintoneパートナーを選ぶ5つのポイント

 「パートナーは必要、でも選ぶのは大変」という現状が今のkintone界隈。こうした前提で、オオタニはさっそく5つのポイントを挙げる。
 

①専門性
パートナーが増えてきたので差別化要素は重要。その点、特定の業種・業界に通じているパートナーであれば話は早いし、本来の目的である業務改善に結びつきやすい。過去の事例を元に、ユーザー企業に話を聞いてみるのもあり。

②レスポンス
過去にオオタニが取材した限り、パートナー選定や変更の理由を聞くと、だいたいこのレスポンスのよさに行き着く。難しいのは「大企業だから遅い、中小企業だから速い」というわけでもない点。伴走サービスとして受ける場合、ユーザーが地方の場合、なんだかんだいって物理的な距離の近さは重要。

③他ツールの知識
ユーザーがkintoneで構築しようとしているシステムの多くは、実はけっこうSaaS化されている。そのため、あえてkintoneで作る理由がない場合も多い。しかし、kintone界隈には良くも悪くもkintone Loveな人が多いため、客観性に欠けるパートナーがいる。kintoneで作ることが目的となってしまう。kintoneの弱点をきちんと把握し、他の選択肢についても話してくれるパートナーは信頼できる。「kintoneで全部やると、手間がかかったり、工数がかかるケースもある。そこを理解して提案できるのはパートナーとしても重要」と稲澤氏は語る。

④サイボウズアワードの有無
案件数や実績が評価されるので、客観的な基準としては大きい。「パートナーのアワードではあるが、ユーザーも見るべき」」(オオタニ)。ただ、販売数や規模のみならず、エリアやプラグインなどの拡張ツールの提供という観点でも評価されるので、ここらへんは参照すべき。加えて、過去の受賞企業も見て欲しい。トレンドやキーパーソンもわかる。

⑤巻き込み力
内製化を志向する会社は多いが、現場のユーザーにとってアプリを作るのは本業ではない。当然、「現業が忙しくて、作る時間がない」という問題にぶち当たるため、ユーザー企業だけで内製化を進めるとプロジェクトは頓挫しがち。そのため、ユーザーの懐に入って、kintone導入のケツを叩いてくれる巻き込み力のある会社がパートナーとして必要になる。
 

 一方で、ユーザー企業側はパートナーとどう付き合うか? 果たしておんぶに抱っこでいいのか? ここまで一気に話してきたオオタニは、kintoneビジネスを手がけるBe Magical Solutionsの稲澤氏にバトンを渡す。

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