●未来感ある体験得られる
今回の実証実験では、観客スタンドにWi-Fi環境を整え、通信機能を内蔵したスタンドアローン型のスマートグラス「R-9」(Osterhout Design Group社製)にデータを送っていた。R-9は、重さ181gで、チップセットにはクアルコム社製Snapdragon 835を搭載する。スペックとしては、ハイエンドのスマホと同等の性能を持つものだ。
実際にスマートグラスを装着し、ファイターズとライオンズの試合を観戦した。確かに、目の前にスコアボードや球種、選手の詳細情報が浮かび上がって表示され、とても未来感のある体験を得ることができた。
ただ、情報の見える場所が、ドームの屋根の方向だったり、足元だったりするため、顔を上げたり下げたりする必要があり、かなり面倒な印象があった。自分が「ここに表示すると、グラウンドの選手たちと一緒に情報が確認できて便利なのに」と思ったところに表示してくれずストレスを感じてしまうのであった。
スマートグラスをかける前、頭の中では「グラウンドに絶妙に浮かび上がる選手たちの情報」がイメージされたのだが、想像とははるかにかけ離れた体験となってしまっていた。
スマートグラスも、ユーザーが見ている方向などを認識し、適した情報を表示しようとしているため、負荷の高い処理をせざるをえず、本体がかなり熱くなり、処理が止まってしまうこともたびたびあった。バッテリーも数十分間しか持たない。
通信環境においても、Wi-Fiを用いていたためか通信が安定せず、音声実況も途切れ途切れだったりするなど、快適とは言えない状況であった。
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