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新エンドポイントセキュリティ製品も発表されたVMworld初日基調講演

究極のハイブリッドクラウド「VMware Cloud on AWS」がいよいよ開始

2017年08月30日 08時30分更新

文● 大河原克行

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アンディ・ジャシーCEOが登壇し、VMware Cloud on AWSを正式稼働

 そしてパブリッククラウドについては、AWSとの協業について時間を割いて説明した。今回の発表は、2016年10月に発表された戦略的提携から生まれたVMware Cloud on AWSが、いよいよ正式に稼働するという内容。これによって、AWS上でVMware Cloudを利用することができる。これは、今回のVMworld 2017において、もっとも注目を集めたトピックスであり、Amazon Web ServicesのCEOであるアンディ・ジャシー氏が登壇したときには、基調講演の会場が一番沸いた。

AWS CEOのアンディ・ジャシー氏

 VMwareのゲルシンガーCEOは、「数100人のエンジニアが一緒に仕事をした結果、いよいよいまからAWS上で、VMware Cloudが動くことになる。究極のハイブリッドクラウドになる。慣れ親しんだVMwareのアプリケーションを、プライベートクラウドからパブリッククラウドに移行させることができ、さらにオンプレミスとクラウドの両方の環境を一元的に管理できるようになる。使い慣れたオンプレミスの管理ツールであるvCenterを使って、AWSの上で走らせることができる。これはコストメリットを生み出すことにもつながっている」とコメントした。

 一方、AWSのジャシーCEOは、「多くのエンタープライズ企業が、クラウドの活用プランを打ち出すなか、オンプレミスのデータセンターとAWSが一緒に利用できるのは大きな追い風になる。これまではAWSを使うか、VMwareを使うかという選択肢であったが、これからはプライベートクラウドのリーダーと、パブリッククラウドのリーダーが一緒になって、統一化した環境を提供することができ、最大の悩みを解決できる」と語った。

VMware Cloud on AWSはVMwareのパートナーチャネルで販売される

 早期導入ユーザーの1社であるムーディーズは、VMware Cloud on AWSによって、リプラットフォーム、リアーキテクチャーをすることなく、クラウドマイグレーションを実現したことを紹介した。日本の企業では、野村総合研究所、リコーが早期導入ユーザーのなかに含まれていることが明らかにされた。

早期導入企業のリスト

 今回の説明では、VMware Cloud on AWSはVMwareのパートナーを通じて販売され、AWSのパートナーからは販売されない。またサポートについても、VMwareのリソースを活用することが示された。VMwareの数多くのパートナーが、VMware Cloud on AWSを取り扱っていくことも発表されている。

 VMwareのゲルシンガーCEOは、「両社の協業はまだ始まりにすぎない。VMware Cloud on AWSは、まずは米西海岸からスタートし、次に東海岸に展開。その後海外にも展開する。来年の年末までには、すべての地域で提供されることになる。これはVMwareのリソースの限界によるものである。この協業はスタートしたばかりであり、まだ表面を削った程度である。まだたくさんのものを提供できる」と語り、ジャシーCEOは、「この協業は2社のCEOが深く語りあって進めている点が特徴。いままでにないような協業を進めている。短期間のうちに提携ができたことも、それが理由である。VMwareとは、今後も同じスタイルで協業を進めていく」と述べた。

 昨年のVMworldでは、「VMware Cross-Cloud」を発表したが、今回のVMworldではこの呼称をやめ、今後、「VMware Cloud」に統一することも明らかにした。ゲルシンガー氏は、「VMware Cloudとして、VMwareがパブリッククラウドも提供できるようになった。欧米、アジアといった全世界において、サービスを提供し、あわせて7つのクラウドサービスとも連携することになる。VMwareのスタックで構築しても、すべてのクラウドサービスにまたがったユニークな体験を提供することが可能だ。NSXにより、共通のセキュリティ能力を提供できる点も大きな特徴だ」と説明。その上で、「VMwareのクラウド戦略の特徴は、複数のクラウドにまたがった一貫したインフラを提供できること、どのようなクラウドでも一貫した運用環境を提供できること、グローバルサービスプロバイダーのリッチなネットワーク環境を活用できること、複雑性とリスクを減らし、アジリティを提供できる点にある」と定義した。

VMware Cloudの価値

 さらにネットワークの仮想化について言及。「NSXは、プライベートクラウドやパブリッククラウド、モバイルデスクトップなど、すべてのものを結びつけることになる。今後は、これをコンテナや新たなアプリケーションのフレームワークにもつなげ、IoTや通信ネットワークにも拡張し、一貫したセキュリティも実現する」と前置きし、「NSXは我々の取り組みにおいて重要なものになってきた。VMwareにとって、vSphereは、最初の20年において重要なものであったが、NSXは、今後10年、20年に渡って、同等の価値を持つものになってくると考えている」と位置づけた。

NSXにより、すべてのサービスやリソースを結びつける

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