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「VMware Cloud on AWS」の全リージョン拡大時期も発表、「VMworld 2018」にAWS CEOがゲスト登壇

「Amazon RDS on VMware」発表、オンプレミスのマネージドDB

2018年08月29日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 2018年8月27日(米国時間)、米ヴイエムウェアの年次カンファレンス「VMworld 2018 US」が米国ラスベガスで開幕した。初日基調講演には、同社CEOのパット・ゲルシンガー氏が登壇し、マルチクラウドやIoT/エッジコンピューティングといった新しい世界におけるヴイエムウェアの役割と、その実現に向けた新製品群を披露していった。

VMworld 2018はラスベガスのマンダイレイベイ コンベンションセンターで開催されている

 その中で注目を集めたのが、1年前のVMworld 2017で一般提供開始を発表した「VMware Cloud(VMC) on AWS」の動向だ。今回の基調講演にはAmazon Web Services(AWS)CEOのアンディ・ジャシー氏がゲスト登壇し、VMC on AWSの採用状況や今後のロードマップを説明するとともに、両社の技術的パートナーシップに基づき開発した新製品「Amazon RDS on VMware」を発表した。

ヴイエムウェア CEOのパット・ゲルシンガー(Pat Gelsinger)氏と、Amazon Web Services(AWS)CEOのアンディ・ジャシー(Andy Jassy)氏

提供開始から1年の「VMware Cloud on AWS」、2019年中には全リージョンで提供

 AWSが提供するベアメタルインスタンス上でヴイエムウェアのSDDC(Software-Defined DataCenter)を構成し、クラウドサービスとして提供するVMC on AWSは、1年前の提供開始から段階的に提供地域(リージョン)を増やしてきた。それとともに幅広い業界で採用が拡大しており、ジャシー氏は「四半期ごとに2倍」の成長を見せていると語る。

幅広い業界の「VMware Cloud on AWS」採用顧客が紹介された

 VMC on AWSの採用顧客について、ゲルシンガー氏は「現在はエンタープライズ(大規模企業)が中心」だと語る。もともと本番ワークロード向けの最小構成が「4ノードから」と、比較的規模の大きなシステムに限定されているためだ。今回、この最小構成を「3ノードから」に引き下げ、さらに期間限定で“2ノード構成相当”の価格で提供するキャンペーンも行うことで「ミッドマーケットにもVMC on AWSのリーチを拡大したい」と、ゲルシンガー氏は期待を述べる。

 現状におけるVMC on AWS最大のユースケースは「オンプレミスシステムのクラウドマイグレーション」だ。たとえば、同サービスを採用したマサチューセッツ工科大学(MIT)では、VMC on AWSの採用によって、3000VM/520TBの大規模なオンプレミス環境を、1人の担当者がわずか3カ月間で、サービスを中断することなく移行した。そのほか「クラウドDRサイトの構築」や、企業合併などを契機とした「既存データセンターの縮小/撤退」といった用途での採用も多いという。

 さらにジャシー氏は「すべてのAWSリージョンで提供してほしい」という顧客リクエストも強いと述べる。その声に応えるべく、今回新たにアジア太平洋(シドニー)リージョンで提供を開始したほか、「来年(2019年)中にはすべてのリージョン(政府向けリージョンを含む)で提供開始する予定」だと説明した。日本については、東京リージョンは「2018年第4四半期」からの提供開始がすでにアナウンスされていたが、今回新たに大阪ローカルリージョンでも「2019年第2四半期から提供予定」であることが明らかになっている。

VMware Cloud on AWSの提供リージョンと今後の提供開始予定。今回アジア太平洋(シドニー)リージョンが提供開始となった。東京、大阪もそれぞれ予定されている

vSANで「Amazon EBS」も選択可能に、数千台の無停止移行など機能強化

 VMC on AWSではおよそ四半期ごとに機能アップデートが行われており、今回もいくつかの機能強化が発表されている。

両社によるVMC on AWSのイノベーションロードマップ(今回のタイミングは「M5」)。今後さらに「Pivotal Container Service(PKS)」によるコンテナ環境の実装にも取り組む計画

 SDS(Software-Defined Storage)を提供する「vSAN」では、バックエンドのストレージとして「Amazon EBS(Elastic Block Storage)」も選択できるようになった。従来はベアメタルマシン内蔵のフラッシュストレージを使ってvSANを構成するしか選択肢がなかったため、特に大容量ストレージを必要とする顧客の場合はコスト効率が悪かった。EBSも利用できるようになることで、そのコスト効率が改善される。

 VMC on AWSの仮想ネットワークを管理する「VMware NSX」では、「AWS Direct Connect」との機能統合が図られ、ハイブリッドクラウド環境におけるネットワーク管理が簡素化される。

 またVMware NSX Hybrid Connect(旧称:VMware Hybrid Cloud Extension)が備えるバルク ライブマイグレーション機能によって、vSphere ReplicationとvMotionを用い、数千台規模の仮想マシンをダウンタイムなしでライブマイグレーションできるようになっている。基調講演の中では同社CTOのレイ・オファレル氏が、多数の仮想マシンを数クリックでオンプレミスからAWSへとライブマイグレーション実行する模様をデモで披露した。

ヴイエムウェアCTOのレイ・オファレル氏によるバルクマイグレーション機能のデモ

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