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デルテクノロジーズ統合後もエコシステムとビジネスは堅調

NSXがビルトインされた「Pivotal Container Service」発表

2017年08月31日 07時00分更新

文● 大河原克行

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米VMwareが、2017年8月28日(現地時間)から米ラスベガスで開催している「VMworld 2017」の会期2日目(8月29日)は、前日夜までに集めた参加者からの質問に、VMwareのパット・ゲルシンガーCEOと、米デルテクノロジーズのマイケル・デル会長兼CEOが回答する対談スタイルでスタート。後半にはPivotal CEOのロブ・ミー氏が「Pivotal Container Service」を発表し、本番環境でのコンテナ利用を促進するとアピールした。

VMwareのパット・ゲルシンガーCEOと、デルテクノロジーズのマイケル・デル会長兼CEO

サポート品質からディープラーニングまで質問に答えるゲルシンガーCEOとデル会長

 質疑応答はVMwareの電話サポートにおいて、時間がかかりすぎるといった指摘からスタートした。これに対してゲルシンガーCEOは、「VMwareのサポートは、NPS(ネットプロモータースコア)の評価が高く、悪い評価に対しては1つずつ改善している。SkyLineと呼ぶプロアクティブなサポートを提供することで、問題が起こる前に対応するといったことも行なっている。VMwareはベストなテクノロジーパートナーになるためにサポートは重視していく」と回答した。

VMwareのパット・ゲルシンガーCEO

 また、AIや量子コンピュータ、機械学習などの新たな技術への取り組みについては、デル会長兼CEOが回答。「われわれは、もっともエキサイティングな時代にいる」と前置きし、「デジタル変革は全世界で起こっており、膨大な量のデータが毎日生成されている。人とマシンがいっしょに機能する時代が訪れている。大きなチャンスが生まれるその最初のタイミングにあるといえるだろう。AIなどの新たな技術を進化させるエンジンとなっているのがデータである。これを巨大なコンピュータパワーと大容量のストレージで処理し、保存をしている。データがなければ、AIは進化しない。データを活用することで製品やサービスを進化させなくては、誤った判断をすることになる。デルテクノロジーズグループのすべての会社がデジタル変革に関わった製品を投入しており、結果として、従来のIT産業が対象にしていた市場よりも、さらに大きな市場を対象にビジネスを行なっている。これからの20年後に向けてエキサイティングな市場が開けることを期待している」と発言した。

 ゲルシンガーCEOは、「ディープラーニングといった新たな手法も登場しているが、AIの力は、コンピュートの進化とデータが膨大になる以前には、ここまで強くはなかった。今後は、すべての製品やサービスは、機械学習やAIを取り込んでいく必要がある。これらの技術によって、われわれは巣を飛び立ち、これまでに行けなかった領域にまで到達することができるようになる。今後は、エッジコンピューティングが注目されるだろう。エッジの部分には膨大なデータがあり、ノード同士が交信し、新たな活用が始まる。30年後からいまを振り返ると、技術の進化がもっともスローに感じるのが、現在かもしれない」とした。

デルテクノロジーズ統合のVMwareのエコシステムは活発

 中堅・中小企業に対する取り組みに関しては、デル会長兼CEOが回答。「いま存在する仕事の多くは、中堅・中小企業において作られており、多くの人がそこで働いている。デルテクノロジーズファミリーが誕生したことで、何万人もの顧客が増えた。中小企業向けも数多くの製品開発が行なわれており、そこに最適な製品が生まれている。vSANを活用したVxRailなどもそのひとつである」とした。また、ゲルシンガーCEOは、「これまでは大企業にフォーカスしすぎたところもあるが、今後は、中堅・中小企業に対しても、より積極的にエンジニアリングを提供していくことになる」と述べた。

 VMwareのパートナーエコシステムについては、パートナーが400社にまで増加したことに触れながら、「2015年10月に、デルテクノロジーズの統合を完了したが、オープンであり、独立したVMwareのエコシステムは活発であり、さらにVMwareの成功において重要な部分を担っている。今後もさらに強力なものになっていくだろう。すべてうまくいく」と、デル会長兼CEOが発言した。

デルテクノロジーズのデル会長兼CEO

 デル会長兼CEOは、デルテクノロジーズグループとしてのシナジーに関しても言及。「デルとEMC、VMwareがより多くの協業を行なうことで、よりすばらしいことが達成できる。これはピーナッツバターとチョコレートのような組み合わせであり、強力である。クロスセルのシナジーだけでなく、深い部分での技術的統合やイノベーションにより、新たな製品やサービスが創出できる。これが現実のものになっており、グループ各社が新たな製品やサービスを発表するごとに、深いインテグレーションを感じてもらえるだろう。売上高についても当初の想定よりも早く進んでいる」とした。

 ゲルシンガーCEOは、「VxRailは、前年比約400%という高い成長を遂げている。これは(デルテクノロジーズの本社がある)テキサスの基準で考えてもいい数字である。そして、シナジーはこれだけは終わらない。まだまだシナジーの可能性は大きい」などと述べた。

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