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アスキー編集者の「ひさびさ」日記 ― 第8回

レコードプレイヤーをもらったら、欲しいものがどんどん増えたのだ

レコードをひさびさに聴いたら、ハイレゾもいいなと思った

2015年12月28日 16時00分更新

文● コジマ/ASCII.jp

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2015年、レコードプレイヤーがやってきた

 どっちだよ、ってタイトルですが。どっちもいいな、って話です。

 誕生日に、レコードプレイヤーをもらいました。オーディオテクニカ「AT-PL300」。Amazonで1万円を切っていて、初心者でも安心なシンプル操作が売りです。詳細なレビューはこちらの記事をどうぞ。

どーんと鎮座するAT-PL300。ダストカバーも付いてます。アクティブスピーカーにつないで、操作はワンタッチ。電源ボタンもないので、聴き終わったらコンセントを抜きます。

 この機種のポイントとしては、「スタート」(再生)と「カット」(停止)に加えてアームを上下させる「アップ・ダウン」ボタンがあって操作がカンタンなところ、フォノイコライザー機能を内蔵しているところなどです。

 フォノイコライザーについては説明が必要かもしれません。まず、アナログプレーヤーのカートリッジで拾った信号はきわめて微小なので、増幅してあげる必要があります。

 また、レコードは記録する周波数が低くなるほど、溝に刻まれた波形の振幅は大きくなるため、狭い幅の溝の中にうまくオーディオ信号を収録できなくなります。これを解決するために、レコードのカッティング時に低域を落としているのですが、再生時には元の特性に戻すために低域を持ち上げ、フラットな信号にしなければなりません。

 これら二つの役割を果たすのが、フォノイコライザーです。これが内蔵されているので、アンプにPHONO端子がなくても、復元させた音で再生できるわけです。

 自分の場合、実家にいるときは家にあったレコードプレイヤーを使っていたのですが、一人暮らしになってからはプレイヤーがなく、レコードはとんと聴いていなかったのでした。

我が家にある、「なんだかよくわからない」レコードの類。

 しかしプレイヤーがあるとなれば話は別。うれしくなって、中古レコード店に行っては妙ちきりんな盤を買い、家でニヤニヤしながら聴くということを繰り返しました。

 自分の場合、ハワイでプレスされた環境音楽のレコードとか、スリランカの施設建設の記念レコードとか、外タレの国内限定プレスのレコードとか、再発されそうにもないものばかりを楽しむことが多いです。

スリランカの劇場設立を祝したアルバム(たぶん)。裏面の解説は英語だったのですが、読んでもよくわかりませんでした。肝心の中身ですが、日本人の99%にはインド音楽に聴こえるでしょう。ハワイのレコード会社が制作した「日本の旋律」。「さくらさくら」「荒城の月」といった日本の音楽を、オーケストラが豪華に奏でます。ドラもバンバン鳴ります。中国と日本の区別がついていないのですね。
人気絶頂だったジャッキー・チェンのレコードの国内盤。時代を感じさせます。こういう種類のレコードは、なかなか再発されません。というか、ご本人も日本でこれが出ていることを知らない可能性が大です。

アナログのレコードはめんどうくさい

 そんな感じでアナログなレコードライフを満喫していたのですが、一つ思ったことがあるんですよ。

 レコードってめんどうくさいな、と。

 「何をいまさら」と言われるかもしれません。でも、やっぱりめんどうくさいんですよ。レコードを聴きたいとなれば、盤を指紋が付かないようにそーっと取り出して、うやうやしくターンテーブルにセットして、場合によってはホコリをクリーナーで取って、ボタンを押して針を落として……。聴き終わったらこれを逆からやるわけです。

手前にあるのがベルベットのレコードクリーナー。これで拭いてホコリを落とします。あまりにも汚れがひどい場合は、専用の洗浄液を使うこともあります。

 曲の頭出しも大変です。回転する盤を見ていると、文字通り目が回ってきます。アナログ特有のあたたかみのある音(魔法の言葉)はいいねえ、なんて言ったりしているそばから針が飛んだりします。

デジタル世代にとっての鬼門(?)、レコードの頭出し。要するに、曲間の溝に針をそっと落とすわけです。慣れればどうってことはないかもしれませんが、それでも目が回りそうな感覚。

 その点、デジタルはあまりにも便利。自分は数千枚のCDをリッピングしているので、まあ音質的には若干劣るわけですが、iTunesの中にはすべてのアルバムが入っていて、どのアルバムの何曲目でもすぐにアクセスできます。

 さらに、CD以上の音質で聴けるハイレゾ音源も最近は充実してきました。アスキーにいるとハイレゾをいいシステムで聴く機会にも恵まれるのですが、やっぱり「音、いいわあ〜」と実感します。最近イヤフォンを新調したのですが、ハイレゾ対応のほうがなにかと有用だろうと、ソニー「EX-750」にしちゃったほど。

ソニー「EX-750」。低音から高音までワイドレンジで、クセのない鮮明な音が楽しめます。実売価格は9000円前後。

 ハイレゾ音源がパソコン上でカンタンに再生できるのみならず、携帯プレイヤーでどこにでも持ち出せる。こうなると逆に、聴くのが手間なアナログ音源も、自分でどんどんデジタル化してパソコンに入れちゃえばいいんじゃないかという気にさえなってくるのです。

 AT-PL300の上位モデル「AT-PL300USB」はパソコンにとりこみやすいようUSB端子がついていますが、いっそのこと、レコードの録音に特化したKORGのDAC「DS-DAC-10R」(関連記事)などを買ってもいいかもしれません。そこまでいったら、どうせだし、ハイレゾ音源がいい音で聴けるネットワークプレイヤーなんかも買いたくなる……。うーん、欲しいものが増えてしまいました。

デジタルは便利すぎるというぜいたく

アナログレコードは、何といってもジャケットが大きい。モノとしてのインパクトはCDよりも上です。ジャケットに絵画のようなインパクトがあります。

 ただ、もちろんアナログならではの良さもあるわけで。たとえば、ひっくり返したりレコード取り替えたりするのが億劫なので、ついつい片面通して一気に聴いてしまうんです。それによってアルバムの良さとかを再発見したりとか。CDだとただの6曲目だったのが、「A面の終わり」として聴くとグッときたりして。

 デジタルって、ちょっと便利すぎるんですよね。「いまさらな悩みの次は、ぜいたくな意見じゃないか」と怒られるかもしれません。でも、選曲とかシークとか(早送り/巻戻し)が便利すぎて、「あれ聴くか、やっぱこれ聴くか」みたいにじっくり聴かなかったすることってありませんか?

 当然、音源自体が再発されないので、レコードしか世に出ていないという問題もあるわけですが。切実にほしいけどレコードしかない……という場合、大枚はたいてレコードを買うハメにおちいることもあります。ただ、それがCDやデータで再発されたとなると、意外とスッと聴いて終わりだったりするんですよね。自分だけかもしれませんが。

これはジャズのレコードですが、オリジナル盤ではなく、後年に再発されたもの。クラブなどで人気が出たアルバムは、レコードで再発されたりするんです。ちなみにこのレコードでピアノを弾いているロマーノ・ムッソリーニは、あのベニート・ムッソリーニのご子息だったりします。

 レコードならではの「めんどうくさいけど大事に聴く」という感覚って、大事なのかもしれないと思うんです。あと大前提として、良い悪いは意見が分かれるにしても、音質はやっぱり違うものですし。

 しかしそうなると、ハイレゾに対応しつつ、レコードもバシッと鳴るようないいシステムが欲しくなってくる。アンプもそうだし、スピーカーもそうだし、そうなればプレイヤーも新調しなくちゃいけないし。そもそも盤質の良いレコードって、中古でも高値が付いていたりして……またまた欲しいものが増えてしまっているではないですか。

アナログとデジタルを選べる僕たちは
買いたいものがどんどん増えていく

 最近では、アナログのレコードが「やっぱりいいんじゃないか」と再評価される一方で、デジタルで高音質なハイレゾのデータをパソコンからサクッと購入できたりします。単純な言い方ですが、それぞれに良さがあるのだと思います。

 今の時代って、ユーザーがアナログとデジタルを選べる、2つの異なるものが共存している世界なのかもしれません。片方はめんどうくさいなあ、もう片方は手軽にすぎるなあなどと言いながら、好きな方を選べるって楽しいなあ。ついでに買いたいものもどんどん増えていくなあ。うれしいけど困ったなあ――ひさびさにレコードを聴きながら、そんなことを考えたのでした。

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