簡易水冷クーラーの王座はどれだ!?
4980円で購入できる格安のDEEPCOOL「MAELSTROM 120」から、本格水冷メーカーと共同開発され、水枕などの増設にも対応したFractal Design「Kelvin T12」まで、7製品をチョイスして試してきた簡易水冷クーラーの王座決定戦。
栄えある王座にふさわしいのは、高い冷却性能とデュアルファンながら静音性も悪くなかったCoolerMaster「Seidon 120X」と、CPU最高温度で頭ひとつ抜きんでたCorsair「H80i」の2製品に贈りたい。
次点としては、しっかり冷却しつつ、静かに運用できるThermaltake「Water 3.0 Performer C」。LNCケーブルを使って、ファンを低回転した場合でも、ストレステストをエラーなくパスしているので、定格動作なら長時間のゲーミング時なども余裕だろう。
もちろん、CoolerMaster「Seidon 120X」とCorsair「H80i」でもファンコントロールすれば、同レベルの静音性と冷却性能は発揮できると思われるが、細かな調節せず、付属の電源ケーブルを接続するだけで静音方向にカスタマイズできるのが、Thermaltake「Water 3.0 Performer C」の魅力。
準ファンレス仕様のビデオカードが続々と登場している昨今、しっかり冷却しつつ、静音を目指したく、ひと手間必要なファン調節を行ないたくない人にオススメだ。
空冷と簡易水冷では
どちらが冷える?
空冷タイプのCPUクーラーをいろいろテストした「CPUクーラー最強王座決定戦2014」で王座についたThermaltake「Frio Extreme Silent 14 Dual」と次点だったCRYORIGの「R1 ULTIMATE」の温度をグラフに赤色で追加して比較してみよう。
高負荷時のCPU温度は、空冷CPUクーラーに完全に軍配が上がってしまっている。テスト中のCPU最高温度は、Corsair「H80i」がかろうじて勝っているが、ひんぱんに新しい技術が投入され、ヒートシンクの大型化も容易な最新の空冷CPUクーラーには、120mmサイズのラジエーターでは太刀打ちするのが困難になっているようだ。
とくに薄型ラジエータータイプでは、冷却液の放熱がCPUの発熱に追いつかず、空冷よりも完全に劣ってしまっている点は、覚えておく必要があるだろう。
実際、各メーカーとも120mmラジエーターの限界は、しっかり把握しているようで、140mmや240mmサイズの大型ラジエーター採用モデルを続々と投入。さらに本格水冷にアップグレードできる付加価値のあるモデルも増加している。
機会があれば、次回は大型ラジエーターにターゲットを絞ってチョイス。その冷却性能などを見極めてみたいものだ。
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