一眼レフの魅力とはじめてのレンズ交換
これまでの連載で使ってきたのはコンパクトデジタルカメラやミラーレスでしたが、今回は初めて一眼レフカメラを用意しました。ミラーレスより重量があり、カメラ本体のサイズも大きいですが、光学ファインダーを備えるため動きのある被写体に強く、交換レンズのラインアップが豊富などのメリットがあります。カメラが大きくなると、かんちゃんの撮影姿もぐっと引き締まって見えますね。
「最近は散歩道にある、東京だけどどことなく東京っぽくない景色とか、カフェの外観だったりとか、自分で気になるものをずっと一人で押さえてました(笑)。かわいいとか、かっこいいとか、とにかく『雰囲気』を感じる景色に惹かれます。
撮り方としては、風景全体っていうより、一個の被写体にピントを合わせた写真をよく撮るようになりました。手前にあるものにフォーカスして、後ろがボケる感じって、やっぱり魅力的だし、カメラならではの表現じゃないですか。
ちゃんとした一眼レフとかレンズを使うと、普段使ってるミラーレスよりボケがきれいに出るから、つい欲しくなっちゃいます。その分ピントはしっかり合わせないといけなくなるし、写真の実力を上げるのにも良さそうですよね」
一眼レフの醍醐味といえば、レンズの交換です。今回は、画角が広く遠近感が強く出やすい21mm(35mm判換算で32mm相当)の広角レンズ、撮影倍率が高く被写体を大きく写せるため、花などの撮影にも適した100mm(35mm判換算で150mm相当)の中望遠マクロレンズの2本を用意しています。
「いつかやってみたかったんです」というかんちゃんに、初のレンズ交換に挑戦してもらいました。まずはキットレンズを外し、100mmマクロを装着。ぐっと近くに見える被写体に驚いたらしく、ファインダーをのぞいて歓声を上げています。かんちゃんが自分で言っていた、一個の被写体にフォーカスして強くボケを出す写真には非常にマッチするレンズなのですが、最初はなかなか納得のいく写真が撮れない様子。
「ピント合わせがすごく難しいです。ちゃんとハマればきれいなんですけど、なかなか上手く合わなかったりして……。でも、フォーカスポイントを設定したり、自分で工夫をして撮っていく感じが好きです」
ひとしきり中望遠の世界を堪能してもらったところで、今度は21mmにレンズ交換。こちらは遠近感が出やすいので、奥行きのある景色の撮影に良さそうです。本人も、「一番好みのタイプのレンズかも」と満足げでした。
「本当に初めての経験なので、すごく新鮮です。今まで一つのレンズしか使ってこなかったし、そこでこだわるのも好きなんですけど、これだけたくさんレンズがあると、やっぱり交換したくなります」
徐々にですが、本格的な撮影の世界に足を踏み入れつつあるかんちゃん。カメラマンの鎌田さんからも「カメラを持つ姿が様になってきた」と褒められていました。「フォトグラファー・吉井香奈恵」の肩書きが見られる日も、いずれやって来るかもしれません。
(次ページ、「瞬間を切り取って、自分で魅力を引き出すのが楽しい」に続く)
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