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業界人の《ことば》から 第112回

米Oracleエリソン会長が、基調講演欠席、謝罪したわけ

2014年10月08日 09時00分更新

文● 大河原克行

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今回のことば

「1年前のOracle OpenWorldの火曜日の基調講演に私は来なかった。あの時は申し訳なかった」(米オラクル ラリー・エリソン会長

セールスフォース・ドットコムと、10回以上言った

 2014年9月28日から10月2日までの5日間、米サンフランシスコのモスコーニセンターにおいて、Oracle OpenWorld 2014 San Francisco 2014が開催された。全世界145ヵ国から6万人が参加。さらにオンラインでは710万人が登録するという一大イベントだ。会期中には2707ものセッションが行われ、展示会場には460社が出展。日本からもパートナーやエンドユーザー、日本オラクル社員を含めて約500人が参加した。

 今年のオラクルオープンワールドのテーマは「Modern Business in the Cloud」。その名の通り、クラウドに力を注ぐ姿勢を明確にし、SaaS、PaaS、IaaSのすべての領域で、新たなクラウドサービスを展開する姿勢を示した。

Oracle Cloudのアップグレードに関して

 エリソン会長は、「2014年はオラクルにとって非常に重要な年であり、ターニングポイントであった。それは、2014年に多くのテクノロジーをクラウド向けて提供したからだ。オラクルのクラウドビジネスに大きな弾みがついた」と語る。

 エリソン会長が語るように、オラクルはこの1年の間に、173種類の新たなSaaSや、55種類のインダストリーSaasといった、新たなクラウドサービスを提供したことを説明した。

2014年はオラクルのターンニングポイントであるとするエリソン会長

 Marketing Cloud Applicationでは、84種類のうち29製品を2014年に新たに追加したほか、Sales Cloud Applicationでは、69製品中14製品、Service Cloud Applicationでは113製品中14製品、Configure Price Quote & E-Commerceでは42製品中27製品、Social Campaigns,Listening & DaaSでは49製品中36製品、HCM SaaS Applicationでは84製品中16製品を2014年に投入するなど、具体的な例を示しながら、クラウドサービスを強化してきたことを示してみせた。

 「2014年には、2000件以上の顧客が、オラクルのSaaSを利用しはじめている」とし、クラウドビジネスでのオラクルの出遅れ感を指摘する声に反論してみせた。

 そして、「オラクルはクラウドでのナンバーワンを目指す」と宣言。ゴールは、売上高で先行するセールスフォースを抜き去ることがターゲットとなる。日本では、日本オラクルの杉原博茂社長が、2020年までにクラウドナンバーワンを目指すことを公言しており、これを追う形で、エリソン会長がグローバルでの「クラウドナンバーワン」を宣言した格好だ。

 ナンバーワンを定義する指標は売上高。時期は明らかにしなかったが、初日の基調講演では、「セールスフォース・ドットコム」という言葉を1時間の間に10回以上発言。強烈な対抗心を示した。

 すでにオラクルは、SaaSアプリの品揃えでは世界ナンバーワンとなっている。そして、Oracle Cloudは、毎日6,200万人のユーザーと、230億のトランザクションに対応。全世界の19のデータセンターで、400ペタバイトのストレージ容量を持ち、3万のデバイス上で動作しているという。

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