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なれる!SE 間違いだらけの?IT用語辞典(中二版) 第33回

SEの仕事を体現する「二つ名」をつけると、結構しんどい気分になるIT用語

2013年10月17日 18時00分更新

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回答編


オーケストレータはクラウドコンピューティングの用語ね。クラウド基盤を集中管理・運用するためのソフト。またの名をクラウドOS。


クラウドの……OSですか?


まぁよく分からないわよね。なので基本から。クラウドサービスを始めるもっとも手っ取り早い方法は何だと思う? 他者のサービスを再販する以外で。


は? サービス開始ですか? ……いや、そんなこと突然言われても。


ややこしく考えないで。クラウドってのは結局エンドユーザにネットワーク越しでOS・アプリケーションをレンタルするためのものなんだから。最小投資でなるべくたくさんのアプリ・OSを提供するには? つまり一台サーバを買ったらそれに最大限ユーザーを詰めこむ方法。


あ……ひょっとして仮想化ですか?


そう、前にハイパーバイザーの話をしたわよね。サーバに仮想化ソフトをインストールして、その上でゲストOSなりアプリを起動する。要は物理筐体を複数の論理コンピュータに分割するわけよ。


なるほど、ユーザが増える度に論理コンピュータを作って、それでも足りなければ物理サーバを増設するってわけですね。


うん、ただこれって物理サーバが二台三台だといいけど、千台・二千台って増えていくとえらいことになるわよね。何せ一台の機械に複数のユーザ・システムがぶちこまれているわけだから。あるユーザーがどの物理筐体に割り当てられているか、確保されているリソースはいくらか、管理するだけでももう大変。


確かに……一台あたり十OS入ってたら千台だと一万OSです。


というわけでクラウド基盤全体をあたかも一つのシステムみたいに管理・操作できるソフトウェアが生まれたの。これがオーケストレータ、直訳すると編曲家(orchestrator)ね。


具体的に何ができるんでしょう。


まずは管理サーバ全体の可視化、マシンパワー・ストレージ容量の動的な割り当て、あと自動設定、負荷分散とかね。要はクラウド基盤っていう物理インフラの集合体に一個の管理ソフトをかぶせて、人間が使いやすくしたものよ。


ああ、だからクラウドOS。クラウドのオペレーティングシステムって意味合いですね。


まさしく。代表的なプロダクトはOpenStackやCloudStackね。そのものずばりオーケストレータなんて製品もあって、それのハイエンド版だと課金システムまで実装してたりするわ。まぁ大規模サービス事業者向けのソフトよね。


なるほど……また一つ知らない世界に触れることができました。勉強って重要ですね。


そう、勉強は大事よ。どんなベテランも最初は素人だったんだから、日々学ぶことであんたみたいなド新人も成長できていくわけよ。


はい!(いいこと言うなぁ!)


がんばれ〈新人(チェリー)〉!


その呼び名は禁止で!


【解説】

オーケストレータ
クラウド基盤の一元管理・設定ソフト。複数の物理インフラをプール化しあたかも単一のシステムのようにオペレーション可能とする。別名クラウドOS。代表的なプロダクトとしてOpenStackやCloudStackなどがある。

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