組み立てはいつもの自作といっしょ
映像作業に必要なスペックを考えた結果、自作したほうが安いからで、今回のゴージャス構成にした岡田氏だが、単純に自作が好きなのも理由のひとつになっている。楽しそうに開封していく様子をここではお伝えしていく。
「SYS-7047GR-TRF」内部。搭載されているマザーボードはSupermicro「X9DRG-QF」。一方向エアフローでとてもわかりやすい。またケース中央にファンが4基並ぶ。一見、弄りにくそうに見えるが、使い勝手のいいレイアウトに仕上がっている
総額200万円ほどの業務用PCといえども、組み上げていくお作法に違いはない。静電気に気を付けつつ、ピンを折らないように慎重に、エアフローを乱さぬようケーブルはすっきりと、などなどのお約束展開だったのだが……岡田氏と筆者は、Supermicro製ケースとマザーボードは初見であり、「電源ほそーい!」だとか「ファンがいっぱいじゃー!」だとか「エアフローわかりやすいな~」などなど、ただの自作ボーイ状態だった。
※編注:自作歴が長くなってくると、静電気対策がおろそかになりがちなので、この2人みたいにノー対策で組み立てるのは止めましょう。
ケース中央にある4基のファンはいずれも山洋電気製
4基のファンはプラグインタイプで、取り外し・取り付けがラクチン。ATX方面にもほしい規格だ
サーバー用マザーボードとしてはすっきりしたレイアウトだが、4ピンの位置はだいぶ凶悪
「SYS-7047GR-TRF」にセットされていたSATAケーブルから、Adaptec「ACK-I-HDmSAS-4SATA-SB-.8M」に交換したところ。細く堅めのケーブルだが、ケース端を這わせるのにちょうどいい。養生テープも少な目で済む
サーバー電源は2つ。100-120Vエリアで1本1000W。最大2000Wまで対応。80PLUS PLATIUM認証を取得しているが、それ以上に起動中に片方を抜いてもビープ音を発しつつも動作するあたりがステキ。もちろん、そのまま戻せば電源は復帰する
配線がしやすいように、ファンレーンの下部にはケーブル通し穴が多数ある
CPUソケットはLGA 2011
16GBモジュール×16をセット。いい眺め
CPUクーラーを取り付け。バックプレート不要で、4ヵ所をねじ止めで固定するタイプ
PCI-Express x8接続のAdaptec製RAIDカード「RAID 71605 ASR-71605 Single」をセット
「GeForce GTX TITAN」4枚を接続。かなりゴージャスな写真だ
ひと通り必要なパーツを接続した状態。ほどよいみっしり感で大変よろしい
BIOSが見えないよ~!
自作PC歴の長い岡田氏と筆者は、「Supermicroのケース使いやすいよねー」とか、ケース内配線とエアフローを話し合ったりしながら、各種パーツの取り付けを終えた。最近の自作PCでは、昔ほど激しい相性問題が生じにくくなっているため、まず一発起動が多いのだが、モニターには“NO SIGNAL”の文字が……。
通電するもピクリともしない件について。BIOSも出てこない状態が続いた。こういうときは最少構成にしてみるのがお約束
Windows 8だと最少構成でなくてもあっさり起動が多いため、はてさてとパーツの差し直しや電源の差し忘れがないか確認してリトライを幾度か繰り返した。ところが最少構成でもBIOSが表示されない。
「マニュアル見ないでがんばる主義はもうやめよう!」
※編注:マニュアルは組み立て前に読みましょう。ベテランほどこのルールを破りがちです。
そこで、Supermicroサイトからマニュアルをダウンロード。お互いタブレット端末を見ながら、関連項目をチェック。同社のマニュアルはとてもわかりやすく「この順にやれ」といわんばかりの構成になっている。結局、パーツの問題ではなく、ゲーミングキーボードを差していたのがそもそもの原因だった。自作ではよくあることだ。
最少構成にしてもBIOSが表示されないため、マニュアルをタブレット端末で確認。Supermicroのマニュアルはものすごく流れがわかりやすい
ジャンパーピンの設定を変更したり、CMOSをクリアしてみたりしている間に起動。原因はCORSAIR製ゲーミングキーボードだった。通常のUSBポートに加えて、もうひとつUSBポートがあったのが原因のようだ
BIOSメニューは、店舗でよく見るBIOSと比べるとかなりすっきりしている。オーバークロックモードといった類はない
BIOS側からメモリー256GBを確認。後述するが、これだけ広大なメモリー領域があっても、速攻で埋まってしまう映像制作の世界は大変なのだ