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総額200万円! 映像制作プロの業務用PC自作を手伝う

2013年05月05日 12時00分更新

文● 林 佑樹(@necamax

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 ゴールデンウィークが迫るなか、友人から「作業用のごっついPCを自作するから取材してみない?」と連絡あった。

 その友人は映像制作を行なっており、名前を岡田太一という。深夜のアニメフィーバータイムで流れるCMや大人の事情でいえないけど、みんな見たことがありそうな映像に多々関わっている。代表的なものは、Google Chrome: Hatsune Miku (初音ミク)。これはASCII.jp読者ならば多くが見ているものだろう。

岡田太一氏。株式会社スタッド代表取締役。同社はフリーランスのクリエイターが所属するクリエイティブ・ブティック。映像制作、3DCG制作、音楽制作など、幅広くコンテンツ制作を手がけている

 上の映像が「Google Chrome: Hatsune Miku (初音ミク)」のTV CM。公開日に岡田氏とお酒を飲んでいたところ「ようやくいえるぞーこれやってたんだよー!」と言われた。なお筆者、このとき岡田氏が映像の仕事してると初めて知った。元は同人誌方面での出会いであった。というか、このときまではTwitterで女体の神秘について語り合う間柄だったわけだが……。

 映像現場で使用されるPCにどれくらいのスペックがいるのか。身近なものを挙げるとエンコードがある。まだまだ時間のかかるプロセスに含まれており、4K2K時代に入ろうとしているのを考えると、相当なスペックが必要だと推測できる。また録画にしてもAVI形式で録画をしようものなら、ストレージが一瞬で埋まってしまう。このあたりは、多くのPCユーザーが体験したことがあるだろう。そのあたり、最前線の環境はどうなんだろうと気になったので、ほいほいと取材しにいくことにした。

事務所に行ったら、ででんと積まれていたパーツ群。GeForce TITANが4枚ある時点でだいぶ遠い世界のパーツ構成の香りがする

ワークステーションじゃダメなの?

 最近の自作PCの傾向をおさらいしてみよう。元々は出来合いのPCよりも低価格で済み、かつ構成を自由にできるメリットがあったが、昨今ではBTOのほうが安かったりするため、自分にとって都合のいい環境を構築したり、趣味で増強しまくるのをしやすくするためといった要素が強くなっている。

 実際のところ、筆者が行なう作業を見てみるとスペックを要求される作業はPCゲームのほかは、RAWデータの現像や紙媒体向けのTIFFファイルのレタッチくらいだ。それでも徹底的なハイエンドである必要はなく、CPUは「Phenom II X6 1055T」、メモリー32GB、GPUは「Radeon HD 7870」、ストレージはトータル16TBくらい、といったマイルドな構成で過不足なく作業している。

 メモリーとストレージが重要になっているため、PCゲームを含めない場合は、スペックダウンを狙うことも可能だ。でも「ゲームもしたいし~」という要求を満たせるのは、やはり自作PCの魅力といえる。ただかつてのように、ハイスペック至上主義という流れではなくなっている。それだけPC用途が多岐にわたり、かつ普及したということでもあるが、よくも悪くも車のカスタマイズに似ている状況といえるだろう。

岡田氏がこれまでメインとして使用していたHP製「Z800」。CPUは「Xeon X5675」、メモリーはDDR3-1333 96GB、GPUはNVIDIA「Quadro4000」+「GeFroce GTX 680」。購入当時から中身はだいぶ変わっているとのこと。フルHDソースの処理はZ800改で追いついているが、PCI Expressのレーンのなさと電源が足りないため、先を考えて今回の自作を決意したもよう

 業務用PCの多くは、各社が用意しているワークスステーションを導入する事例が多いなか、なぜ自作することにしたのかが気になった。組み立てスタンバイOKのパーツを眺めつつ、率直にその質問をぶつけてみたところ

「その形で導入すると、都内でマンション買えちゃうんだもん……自作したら200万くらいで済むし、好きな構成にできるし」
「4K2Kのソースをリアルタイム処理できないといけないし」
「あとスロット全部埋めたかったし」

と、とてもわかりやすい答えが帰ってきた。「自作したほうが安い」は超絶ハイエンドレイヤーでいまだ健在というわけだ。もちろん、そうしなければならない理由は、後述のベンチマーク祭り部分で触れていくとして、まずは構成パーツを見ていこう。

※:あまり縁の無い世界なので補足しておくと、ソフト込みで動作保証して納入するシステムインテグレーターの場合は、都内のマンションが購入できる金額になる。PC本体のみの場合は、都外あたりでマンションが買えそうな価格だが、ソフト(下手するとソフトのほうが高い)や専用ハードウェアデバイスを含めると、上記のように最終的にはごっついお値段になってしまう。

今回のために用意されたパーツたち。総額約200万円だ
Palit「GeFroce GTX TITAN」×4Intel「Xeon E5-2687W」×2
Crucial製SSD「M500」480GB×9。ひとつはシステム用、残りはRAID用センチュリーマイクロ「240-pin registered DIMM PC3-12800/DDR3-160 Rank2」×16。トータル256GB
Adaptec ASR-71605 SingleとバッテリーユニットのAFM-700SuperMicroのベアボーン「SYS-7047GR-TRF」。発注時に世界に16台しかなかったとか
ATXケースよりも奥行があり、462㎜×178㎜×673㎜と大きい。重量も28.1㎏で、2人がかりで段ボールから引っ張り出した付属のCPUクーラー。ステキにごっつい
Crucial M500 480GBをマウントするためのスペーサーには、ICYDOCK「MB882SP-1S-1B」を用意グリスはいつもお世話になっているAINEXのシルバーグリス。これまでの自作でお世話になってきたことが、採用理由とのこと

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