業界人の《ことば》から 第35回
たまたまではない、また、テレビCMにお金を使っているからでもない
ソフトバンクが純増No.1になったのは頭を使っているからだ
2013年04月16日 09時00分更新
新30年ビジョンと300年後の世界
一方、孫社長は、昨年打ち出した「新30年ビジョン」に触れながら、「30年後はどんな世界になるのかを考えるにあたり、300年後の世界を考えてみた」と前置きし、孫社長が予測する300年後の世界を表してみせた。
孫社長は、CPUのトランジスタ数が2018年には300億に達し、人間の脳の細胞の数と同じになるとし、さらにその先もトランジスタ数の増加が続き、300年後には、垓(1兆×1億)の3倍にも達するトランジスタがワンチップに入ることになるという。
こうした世界が訪れると、脳型コンピュータが実現し、人間にしかできなかった推論し、自ら行動するといったことが可能になる。ロボットが人間と共存し、自らの意思で人間を手助けするようになるという。救急医療や災害救助、介護や家事などにロボットが利用されるというのがその姿だ。
また、垓(1兆×1億)の3倍にも達するトランジスタ数を持ったチップをおでこに貼れば、頭のなかで感じたことが、1000km離れた場所にいる人に、テレパシーのように伝えることができるという。
「私はこれを、チップエレキバンと呼んでいる」と孫社長はジョークを飛ばす。
そして、「人間の平均寿命は200歳になるだろう」と予言する。これもトランジスタの進化による成果というわけだ。
「このように300年後の世界のことを考えると、わずか30年後は、退屈しそうな期間だといえる」という。
30年後には容量32PB版iPhoneに3万年のライフログを残す!?
だが、30年後の世界も、いまの我々の世界を遙かに超えることになる。
約30年後となる2040年には、CPUのトランジスタ数は100万倍の3000兆個、メモリ容量は100万倍の32ペタバイト、通信速度は300万倍の3Pbpsとなる。
「iPhoneは、32GB版ではなく、32PB版となる。わずか3万円の端末のなかに、5億曲の音楽が入り、3.5億年分の新聞データが入る。映像も現在の8時間分が、3万年分にまで拡大する」などとした。
孫社長は、超高速ネットワークと無限大のクラウドの組み合わせによって、ライフスタイルが劇的に変化することになる。そしてライフログのすべてがクラウドに乗り、あらゆるものがクラウドと融合する。だからクラウドを人類最大の資産にしたい」と語る。
孫社長の描く夢は、極めて壮大である。
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